2007 Fiscal Year Annual Research Report
演奏情報の可視化による聴覚情報認知の拡大と聴覚障害者を対象とする応用システム
Project/Area Number |
16500138
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
平賀 瑠美 Tsukuba University of Technology, 産業技術学部, 教授 (70327021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 伸子 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (90279555)
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Keywords | 聴覚障害 / 演奏認知 / 感情エンコード / 感情デコード / コミュニケーション |
Research Abstract |
健聴者と聴覚障害者が共に音楽を楽しむことができるようなシステム構築のための基礎実験として,(1)聴覚障害者が感情を込めたドラム演奏をしあって意図をお互いに理解することができるかどうかについての実験,および,(2)パーカッション演奏のプロフェッショナルによる感情を込めた演奏をその場で聴きとる実験を行った.いずれも"悲しみ","喜び","怒り","恐れ"の感情を用いた.実験時には音圧レベルを測り,聴覚障害の程度と音楽認識の関係についての基本データの一部とすることにした. ドラム演奏についての素人である聴覚障害者同士2名の音楽によるコミュニケーションでは,演奏を交互に行った.演奏者は,相手が意図したであろうと判断した感情を込めて演奏を開始し,途中で任意の感情に変えることができるものとした.開始したときに込めていた感情を演奏の途中で変えた時に,相手が異なる感情を理解するのは30%,そのうち50%は変更した感情が何であれ"喜び"と理解していた. プロのパーカッション奏者が様々な種類のドラムを様々な演奏方法によって感情を意図した即興演奏する場面で聴覚障害者が感情を認知するという実験では,演奏方法に制限がない方がより意図が分かりやすいという結果になった.この演奏を用いて,ビデオ視聴ならびにオーディオ聴取による聴覚障害者と健聴者による聴き取り認知実験を行い,以前に行った聴覚障害者と健聴者による実験と同様,これら二つの被験者グループ間に聴き取りについての有意差はなかった.また,有意差という点ではメディアによる違いもなかった. 聴覚障害者同士の音楽によるコミュニケーションについては,コミュニケーション・認知・障害等広い範囲に関係する内容として,国際会議で発表した.
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Research Products
(2 results)