2004 Fiscal Year Annual Research Report
不確かさを持つ非線形むだ時間ファジィシステムのロバスト制御と実システムへの応用
Project/Area Number |
16500139
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
米山 淳 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (30283344)
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Keywords | 高木・菅野ファジィシステム / むだ時間システム / 不確かさを含むシステム / ロバスト安定性 / むだ時間依存型安定条件 / 線形行列不等式 |
Research Abstract |
むだ時間を含む高木・菅野ファジィシステムの安定性、ならびにロバスト安定性に関する研究を行った。これまでに、むだ時間を含むファジィシステムの安定性の研究は行われており、安定性を保証する十分条件も与えられている。しかし、与えられている安定条件は、非常に保守的なもので、ごく狭いクラスのシステムの安定性しか保証できない。そこで、本研究では、むだ時間依存型の線形行列不等式(LMI)で与えられるより一般的な安定条件の導出を検討した。この条件により、より広いクラスのシステムの安定性を保証することが出来た。また、不確かさを含むむだ時間ファジィシステムのロバスト安定性に関する研究は少ないため、安定性の議論を拡張し、ロバスト安定性のための十分条件を導いた。安定条件と同様に、より広いクラスのファジィシステムのロバスト安定性を保証する十分条件を導出した。 さらに、上記の結果に基づき、状態フィードバック則によるシステムのロバスト安定化制御則の設計を行った。状態フィードバック則には、メモリレスフィードバック則と遅れ型フィードバック則の2つのフィードバック則を用いた。どちらの状態フィードバック則に対しても、ロバスト安定化の可解条件は、むだ時間依存型のLMI条件で与えられることを示した。さらに、その条件が満たされる時、状態フィードバック則の設計が容易に構築できることも示した。 最後に、上記の結果を様々なシステムに適用し、シミュレーションを行った。シミュレーションにより、期待した通り、本研究で得られた安定性の条件は、これまでのそれよりも広いクラスのシステムの安定性を補償することが示された。また、本研究の安定性条件に基づいた状態フィードバックによるロバスト安定化制御則は、より広いクラスのファジィシステムを安定にすることが可能であることが言えた。
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