2006 Fiscal Year Annual Research Report
色光照明条件をも考慮した有色彩文字・図形情報表示像の知覚・認知に関する研究
Project/Area Number |
16500141
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
岡林 繁 名城大学, 都市情報学部, 教授 (20278328)
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Keywords | 表示 / 色彩 / 自動車 / 認知 / 輝度 / 空間周波数 / ディスプレイ / 視覚 |
Research Abstract |
本年度は,最終年度として以下の実績を得た. 「色相による知覚の不均一」を,より現実に整合させるため,短時間視標呈示による色相ごとの認識正答率の差異で評価するのではなく,各色相での輝度弁別閾値の差異で評価する手法を導入した.外来光下での種々の色相の有色彩表示デバイスの「見え」を再現するシミュレータを用いて,分光視感効率特性,色相別空間周波数特性と輝度弁別数理モデルを統一的に表現する視覚光学的知覚・認知モデルを提案した. (1)表示セグメントと非表示セグメントとの差異が知覚できる輝度弁別閾値を色相ごとに求めた.結果,「色相による知覚の不均一」を弁別閾値で定量表現できた. (2)この場合の輝度弁別閾値は,通常言われる光覚閾の値とは大きく異なる点に着目し,「表示セグメントと非表示セグメントとの色度差がこの輝度弁別閾値を与える」という仮説を立て,実験検証した. (3)上記仮設を用いて,MAcAdamの偏差楕円特性から輝度弁別閾値を算出するコンピュータシミュレーションを行い実験観測値とよい一致を見ることを明らかにした. (4)以上の結果から,光視感効率特性,色相別空間周波数特性と輝度弁別数理モデルを統一的に表現する視覚光学的知覚・認知モデルを提案した (5)本モデルにより,有色彩表示装置表示像における,「色相による知覚の不均一」のメカニズムは,分光視感効率特性とも矛盾することなく,すべて説明できる (6)以上の研究成果をまとめ,成果の発表を行った.
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