2006 Fiscal Year Annual Research Report
自然言語における隠喩構造の認知的・身体的基盤に関する研究
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16500159
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
篠原 和子 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助教授 (00313304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松中 義大 東京工芸大学, 芸術学部, 講師 (00318908)
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Keywords | メタファー / 認知 / 概念 / 身体的基盤 / 空間 / 時間 / 移動 / 音象徴 |
Research Abstract |
1.空間語彙の概念構造についての認知科学的実証研究およびモデル構築 2つの物体間の空間的位置関係の概念化において、参照物への座標軸の写像現象がどのように生じるかを、日本語の「前・後ろ・右・左」などの語彙について継続して調べ、これらの語にみられる写像パターンがどのような条件下でシフトするかを、写真画像を用いた実験によって確認した。特に対象物の形態的特徴や含意による影響の詳細を比較することにより、「移動の含意」や「乗り物」といった特定の要因が影響していないことを明らかにした。これは,平成18年内に国際学会で発表した。 また「さき・むこう」について写真画像をもちいた実験を行い、「視線方向」や「視界の遮断」「移動方向」などの要因がこれらの語との適合性に影響を与えることを明らかにした。これは,平成19年度に国際学会で発表予定である。 2.空間語彙と時間メタファーの認知意味論的モデル 日本語の「前・先」の空間的意味と用法および参照枠シフトの構造が、これらを用いた時間メタファーにおける用法・分布どのような平行性をみせるかを、これまでの実験結果をもとにモデル化した。これは平成18年内に論文化し、平成19年に出版予定である。また主体移動型時間メタファーと時間配列語の関係について日本語以外の言語の研究に着手した。現在研究継続中である。 3.音象徴の身体的基盤についての研究 日本語における阻害音・共鳴音、および母音の高低などの音韻素性が特定のイメージを喚起することを実験研究によって明らかにし、そこに身体的基盤が働いていることを示した。これは平成18年度内に論文化した。
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Research Products
(5 results)