2004 Fiscal Year Annual Research Report
因子分析・構造方程式モデリングにおける漸近理論の応用
Project/Area Number |
16500167
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
小笠原 春彦 小樽商科大学, 商学部, 教授 (70271731)
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Keywords | 因子分析 / 主成分分析 / 漸近バイアス / 直交回転 / 斜交回転 / 正規分布 / 非正規分布 / 相関構造 |
Research Abstract |
1.因子分析(FA)における漸近バイアスの導出 FAにおける漸近バイアスの導出は、これまで日本の研究者によって正規分布の仮定の下でいわゆる独自性についてのみ行われた。しかし、FAにおける主要な関心は因子負荷とよばれるものである。そこで、因子負荷を含むパラメータについて次の状況において漸近バイアスを導出した。 (1)探索的FAには直交回転解と斜交回転解がある。直交回転解のうちもっとも良く知られている解のひとつであるバリマックス解をその特殊な場合として含むオーソマックス解等を対象として漸近バイアスの導出を行った。 (2)分析の対象とする観測変数に関して尺度の大きさにモデルが依存する共分散構造のFAモデル(非規準化観測変数のモデル)と尺度の大きさにモデルが依存しない相関構造のFAモデル(規準化観測変数のモデル)を扱った。 (3)非正規データと正規データ:観測変数が多変量正規分布に従う場合とそうでない非正規分布の両者を考慮した。 2.主成分分析(PCA)における漸近バイアスの導出 PCAはFAと類似の目的で用いられることが少なくない。PCAの結果は非回転解としては固有値・固有ベクトルへのスペクトル分解として得られ、その漸近バイアスの一部はすでに得られている。しかし、バリマックス解等の回転を施された場合はFAの場合と同様に回転解に対応した漸近バイアスが必要となる。そこでFAに共通なアルゴリズムを用いてこれまでに得られていない漸近バイアスを求めた。特に斜交回転では代表的な解である直接クオーティミン解がその特殊な場合である直接オブリミン解の漸近バイアスを得た。
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Research Products
(3 results)