2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500175
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
田中 豊 南山大学, 数理情報学部・数理科学科, 教授 (20127567)
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Keywords | influence analysis / sensitivity / statistical diagnostics / variable selection / proportional hazards models / functional regression analysis |
Research Abstract |
1.生存分析における感度分析法の開発:タイのある観測値を部分尤度に取り込む方法として、尤も計算の容易なBreslowの方法と計算は少し面倒だが、より近似のよいEfronの方法の場合について、感度分析法を提案した(Sung and Tanaka,2004)。それはTanaka(2004),Tanaka & Zhang(1999)の考え方に基づく統計モデルにおける感度分析の一般的方法を比例ハザードモデルの場合に応用したもので、経験影響関数の(パラメータ推定量の漸近共分散行列の逆行列を計量とする)主成分分析を用いて複数観測値診断を行う方法である。いくつかの数値例に適用して、提案した方法の有用性を確認した。 2.関数データ解析における感度分析法の開発:通常の重回帰分析における影響診断では、てこ比と残差が重要な役割を果たし、影響を直接的に測るCookのDや類似の指標はそれら2つの量の関数として表されることがよく知られている。乱雑度罰則つき関数重回帰分析において同様なことが成り立つかどうかについて検討した。その結果、経験影響関数(EIF)と標本影響関数(SIF)に基づくCookのDを用いるとき、CookのDは残差と罰則無しおよび罰則ありの場合のてこ比の関数で表すことができ、D(EIF)とD(SIF)の関係など通常の回帰分析で成り立ついくつかの関係が関数重回帰でも成り立つことがわかった。また、その結果を利用して、CookのDが大きいとき、その理由が、xの空間で外れているのか、モデルからの残差が大きいためなのかを判定するグラフィカルな方法を提案した。これらの結果は2004年10月の日本中国統計学シンポジウムで発表(Harasawa, Fueda & Tanaka,2004)し、その後、学会誌に投稿中である。 3.主成分分析における変数選択の1つの方法として拡張主成分分析(Tanaka & Mori,1997)を提案した。通常の主成分とこの拡張主成分によって元の変数の持つ情報や潜在的な構造がどのくらい再現されているかについて、人工データを生成してシミュレーション研究を行った。その結果、拡張主成分は通常の主成分と比較して、潜在的構造をよりよく再現していることがわかった(飯塚ほか、2004)。 4)遺伝子データ解析については基礎的な研究を開始したところである。感度分析や変数選択は重要な意味を持つと予想されるが、まだ、具体的な方法として提案するまでには至っていない。
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