2005 Fiscal Year Annual Research Report
猿を用いた連続磁気刺激(rTMS)の作用機序に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16500194
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Research Institution | The University of Toky |
Principal Investigator |
宇川 義一 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50168671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 安生 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20343139)
林 拓也 国立循環器病センター研究所, 放射線医学部, 室長 (50372115)
石田 康 宮崎大学, 医学部, 教授 (20212897)
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Keywords | 磁気刺激 / 連続磁気刺激 / ドーパミン / 運動野 / 脳血流 / 非侵襲的脳機能検査 / LTP / LTD |
Research Abstract |
人で作用機序の関する研究 人でPETを用いて検討した結果、前頭葉の刺激により腹側線条体が活性化された(Ohnishi et al, in press)。この事実は、この刺激が精神科疾患に有効である機序を説明するかもしれない。 また、近赤外線による脳血流測定をして磁気刺激を加える事により、磁気刺激により生じている生体の変化が、従来の生理的機能による脳代謝・血流変化と異なり、特殊な変化であることが証明された(Mochizuki et al, in press)。この所見は、治療に最も有効な刺激法を考案する時に重要な情報となる。 人での病態、生理機能に関する研究 視覚提示によるvisuo-motor task施行中に磁気刺激を加える事により、関連する大脳皮質領野がどのようなタイミングで機能するかを検討した。その結果、視覚野・頭頂葉・前頭葉・運動野の順番にタイミングをずらして機能している事が判明した(Terao et al, 2005)。さらに、rTMSを加えて同じタスクを施行する事により、持続的効果がタスクにどのように影響するかを検討中である。 また、錐体路を特異的に障害するALSにおいて、錐体路機能を磁気刺激を用いて機能的分析を行なうとともに、テンソール画像を用いて新しい手法で形態学的に解析した。この結果、早期の形態学的変化と機能的変化が相関して分析出来ている事が判明した(Iwata et al, 2005)。この結果、両方法の有用性が証明された。 二層性パルスと単層性パルスの効果の差異 従来二層性パルスがrTMSでは使用されていた。しかし、単層性パルスのほうが効果の加重が起きやすく、大きな効果を出すだけでなく(Arai et al, 2005)、効果の持続も長い事がわかった。そこで、治療にrTMSを使用するときは、単層性パルスを用いるべきであると結論した。
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Research Products
(7 results)