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2006 Fiscal Year Annual Research Report

仙髄をモデルとした脊髄の基本的神経回路網の解明

Research Project

Project/Area Number 16500221
Research InstitutionSaga University

Principal Investigator

増子 貞彦  佐賀大学, 医学部, 教授 (20015100)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 河野 史  佐賀大学, 医学部, 助教授 (10152985)
村田 祐造  佐賀大学, 医学部, 助手 (20128143)
李 明子  佐賀大学, 医学部, 助手 (00304882)
Keywords脊髄 / 仙髄 / 神経細胞構築 / 神経線維 / 免疫組織化学 / 神経伝達物質 / 神経ペプタイド / ラット
Research Abstract

仙髄には単純系から複雑系への移行を示すという特徴がある。本研究は,これを最も単純な末端部から順に上位髄節へと解析を進めることにより,脊髄灰白質の基本的な局所神経回路構築を明らかにしようとするものである。ラットの脊髄円錐部は,前根・後根が無いうえに前角の運動神経も存在せず,インターニューロンによる比較的単純な細胞構築を示すことを明らかにしてきた。本年度は,脊髄円錐より更に尾側に続く脊髄終糸の構造を調べるとともに,脊髄円錐部から終糸末端に至る細胞構築について電子顕微鏡解析を行った。
1.終糸の構造
ラットの終糸は脊髄円錐部の末端部(L4腰椎レベル)から第4尾椎まで,全長約6.5cmにおよぶ。その吻側3分の2は髄膜内で馬尾の神経根に囲まれており(intemal segment ; the filum terminale intemum),それに続く尾側3分の1は硬膜の延長によって取り囲まれ尾椎背側に位置している(externl segment ; the filum terminle extemum)。脊髄円錐末端付近の終糸では,小ないし中型の神経細胞が中心管の周囲に少数存在し,その外側に有髄・無髄神経線維が薄い層をなしているが,Intemal segmentの尾側端のレベルから,終糸は中心管を形成する上衣細胞層とごく僅かな神経要素で構成されるようになり,extemal segmentの最末端まで中心管の構造は連続している。extemal segmentの初部と中間部では,細管状の中心管の内腔が急に膨んで嚢状となり,憩室状の突出や上衣細胞層の不連続部位の出現など特異的な構造が認められた。
2.電子顕微鏡解析
脊髄円錐末端付近で中心管周囲に存在する小型神経細胞の一部はNADPH-diaphorase陽性で,陥入した核を有し,ENK,SR5・HT陽性神経終末と接しており,主に樹状突起近位部にENK,SP陽性シナプス入力が認められた。
終糸の中心管を構成する上衣細胞は,線毛あるいは微絨毛を有し,単層の配列が基本であるが,上記の嚢状膨大部位あたりでは多列状の配置を示し,上皮細胞間に神経細胞体や神経線維の小束が存在していることが明らかになった。
従来,終糸の尾側部は索状の結合組織になると一般的に考えられていたが,今回の結果は,脊髄円錐端から終糸末端に至るまで脊髄の基本的構造が連続して存在することを明らかにするとともに,この更なる解析は脊髄の構築を発生学的に考察する上でも鍵となるであろうことを示唆するものと考える。

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Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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