2005 Fiscal Year Annual Research Report
発生早期に起こる運動神経細胞死における転写因子の関与の解明
Project/Area Number |
16500223
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
八木沼 洋行 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90230193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 昇 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00254756)
本間 俊作 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20261795)
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Keywords | 運動神経細胞 / 頚髄 / ニワトリ胚 / Lim3 / 細胞死 / LIM-HD遺伝子 / ホメオボックス遺伝子 / Bax |
Research Abstract |
1 発生早期の細胞死を起こす頚髄運動神経細胞におけるLIM-HD転写因子とMNR2転写因子の発現について定量的な観察行った。TUNEL法によって弱く蛍光染色され、まだ核の収縮やクロマチンの凝集が顕著に起こっていない細胞を細胞死の比較的早期の段階にある細胞と同定した上、蛍光二重染色法によって転写因子の発現を調べた。Isl1、Isl2およびMNR2についてはおのおの全例(Isl1:36例、Isl2:56例、MNR2:36例)においてTUNELとの二重染色が認められた。これに対してLim3は、調べられた100例の細胞のうち95例では陰性で、残り5例においては弱い染色が認められただけであった。以上のことから、この細胞死が、Lim3陰性ないし弱陽性の細胞に特異的起こっていることが確認された。また、このグループの発生について詳細について追跡したところ。これらの細胞は、分化直後一端はLim3の発現が認められるものの細胞死の起こる直前にその発現が低下することが明らかになった。 2 Lim3遺伝子の導入後に、運動神経サブグループの変換が起こっているかについて、運動神経の分岐パタンの変化を検索したが、顕著な違いは認められなかった。これは、すでにLim3を発現するサブグループが存在しているため、そのグループとの区別が付けられなかったことによるものと思われる。 3 ホメオボックス遺伝子のHoxC5の発現と運動神経細胞死の分布について検索を行っているが、まだはっきりとした所見が得られておらず、今後の課題として継続する。 4 細胞死を促進する作用が知られているBax遺伝子を導入してその効果を調べた。Bax遺伝子の導入で各部位で起こる細胞死が多くなるのに対して、発生早期の頚髄運動神経細胞の細胞死は増加せず、細胞死のメカニズムが他の細胞死と異なることが示された。
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