2005 Fiscal Year Annual Research Report
グリオーマ抗原ペプチドの同定と特異的免疫療法への応用
Project/Area Number |
16500225
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大多 茂樹 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20365406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 正博 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20217508)
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Keywords | グリオーマ / 免疫療法 / HSV / CTL |
Research Abstract |
本研究では、極めて治療困難な疾患であるグリオーマに対する抗原特異的な免疫療法の開発を目的として、マウスグリオーマGL261細胞を特異的に障害する細胞障害性T細胞(cytotoxic T lymphocyte;CTL)株を用いて、グリオーマ抗原遺伝子のスクリーニングを行い、新たなマウスグリオーマ抗原遺伝子、GARC-1を同定した。同定したグリオーマ抗原遺伝子、GARC-1には、報告されている遺伝子1190002L16Rikと比較してアミノ酸置換が起きうるopen reading frame内の遺伝子変異が存在したため、同部位を主な標的として、BioInformatics & Molecular Analysis Section(BIMAS)Peptide Binding Predictions programを用いてMHC class Iとの結合性の高いペプチド配列を選出した。さらに結合性から選出されたペプチドを合成し、実際にGL261特異的CTL株(GCL-1)との反応性を解析することにより、グリオーマ特異的なT細胞が認識するMHC class I(H-2D^b)結合性のエピトープペプチドを同定した。一方、同定した抗原遺伝子GARC-1を発現ベクターに組込み、遺伝子銃によりマウスを免疫した後、脾臓およびリンパ節よりT細胞を調整し、グリオーマ特異的な免疫誘導性を解析した。その結果、GARC-1抗原遺伝子を用いた癌ワクチンを行うことにより、GARC-1抗原特異的なT細胞を誘導しうることが明らかになった。 以上、グリオーマ抗原GARC-1由来のH-2D^b結合性のT細胞ペプチドを同定し、抗原特異性、MHC結合特異性、さらにT細胞誘導能を証明した。今後は、マウス脳腫瘍モデルにおけるGARC-1抗原を用いた免疫療法の有効性の検討を行う予定である。
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Research Products
(12 results)