2004 Fiscal Year Annual Research Report
チロシンリン酸化シグナルによるシナプス機能制御機構の解明
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16500236
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
大西 浩史 群馬大学, 生体調節研究所, 講師 (70334125)
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Keywords | 蛋白質チロシンリン酸化 / 神経シナプス / 神経軸索 / 樹状突起 / 細胞間相互作用 / 神経回路網 / SHPS-1 / CD47 |
Research Abstract |
蛋白質チロシンリン酸化による神経伝達物質放出の抑制的制御の分子メカニズムを明らかにする目的で、シナプス前部において抑制的制御に関与するチロシンリン酸化シグナルを検索している。その過程で、蛋白質チロシンキナーゼであるSrcファミリーの基質となる受容体型膜蛋白質SHPS-1が、その細胞外リガンドであるCD47に比べて神経細胞の軸索に強く発現していることを見出した。これらの発見はSHPS-1が軸索側に、CD47が樹状突起側に局在し、極性を持った細胞間シグナルシステムを構築している可能性を示唆している。本年度は、このCD47とSHPS-1の局在メカニズムについて解析を進め、初代培養神経細胞においてCD47とSHPS-1の異なる局在には各々の細胞外領域が重要であることを見出した。さらに両分子の相互作用の機能についても解析を進め、神経芽細胞腫由来細胞や培養神経細胞においてCD47の過剰発現により、神経様突起やフィロポディアなどの細胞形態に変化が誘導されることを見出した。神経系におけるSHPS-1とCD47の相互作用の生理機能はまだ明らかではないが、本研究の結果より、神経系においてSHPS-1とCD47の相互作用が、神経の形態変化を制御することで、神経回路網の形成を制御する可能性が想定される。今後、これら分子による細胞間相互作用シグナル及び細胞内チロシンリン酸化シグナルと神経機能制御との関連について解析を進める予定である
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