2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規神経栄養因子としてのHGFファミリーの機能解析-神経幹細胞への機能も含めて
Project/Area Number |
16500241
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
船越 洋 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40273685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 敏一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00049397)
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Keywords | HFG / c-Met / HGF-like Protein(HLP) / Ron / 神経 / ミクログリア / 神経変性疾患 / 高次脳機能 |
Research Abstract |
HGFは初め肝細胞増殖の本体として精製・クローニングされた(Nakamura T et al.,Nature 1989)。1995年に我々の研究室で初めてHGFが神経栄養活性を持つことを報告して以来、HGFの新規神経栄養因子としての解析が進んでいる。本研究では、HGFおよびHGFの唯一のファミリー分子であるHGF-like protein(HLP/MSP)についてその神経栄養活性と神経幹細胞への機能について解析した。また、HGFの高次脳機能への寄与については、抗不安作用に焦点を絞り検討した。 (1)HLPのグリア細胞に対する機能解析:HLPが神経栄養活性をもつことは、感覚神経細胞を例に2001年に世界に先駆け報告したが、グリア細胞に対する機能は不明であった。本研究で、HLPがミクログリアの遊走促進活性を持つことに加え、多彩なサイトカインの発現を制御していることを明らかとした。 (2)HGFの神経幹細胞の増殖・分化に対する寄与:c-Met/HGF受容体の発現解析とリコンビナントHGFおよび他の神経栄養因子・増殖因子の機能解析の結果、HGFは他の因子と強調しながらneurogenesisにおける多段会で機能していることを明らかとした。 (3)HGFの遺伝子発現ベクターの構築と遺伝子投与法の検討:各種HGF遺伝子発現ウイルスベクターの構築およびその大量調整を自治医科大学遺伝子治療研究部およびロンドン大学・大阪医科大学脳神経外科との共同で行い、その脳神経疾患に適した投与法を検討した。現在その結果で絞ったHGF発現ウイルスベクターの各種神経疾患への応用研究を行っている。 (4)HGFの高次脳機能への寄与:成体ラットの脳室内にリコンビナントHGF蛋白質をミニポンによりinfusionすると、elevated T-maze testをはじめとした行動解析の結果、HGFの脳室内投与が抗不安作用を惹起することを大分大学精神科との共同研究により見いだした。今後HGFの他の高次脳機能への寄与についても順次明らかにしていきたい。
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Research Products
(6 results)