2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500244
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
竹居 光太郎 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (40202163)
|
Keywords | 神経突起伸長 / 成長円錐 / シグナル伝達 / カルシウム / 発生変化 |
Research Abstract |
本研究は、神経突起伸長を司るCa^<2+>依存的シグナル伝達機構の発生の進行に伴って変化するダイナミックなシグナル伝達機構の実体を解明することを目的とし、本年度は鶏卵胚後根神経節(DRG)細胞をNGF添加条件下で発生初期(卵胚8〜10日目)と発生後期(卵胚13〜15日目)の各発生ステージにあるDRG細胞を培養し、神経突起伸長における「カルシウム供給源」及び「カルシウム依存性シグナル分子の発現」を検討した。 カルシウム供給源の解析では、神経突起伸長において、発生初期では電位依存性カルシウムチャネルなどを介する細胞外カルシウム流入は重要ではなく、IP3受容体を介する細胞内カルシウムストアからのカルシウム放出が特に重要であることが判明した。それに対し、発生後期では電位依存性カルシウムチャネルを介する細胞外カルシウム流入及びリアノジン受容体を介する細胞内カルシウムストアからのカルシウム放出が重要であった。このように、神経突起伸長におけるカルシウム供給源の発生変化が見出された。 次に、カルシウム依存性シグナル分子としてカルモデュリン依存性リン酸化酵素CaMKIIおよびカルシニューリン(CaN)の発現パターンについて検討したところ、CaNは発生初期及び後期の双方のDRG細胞に違いなく発現していたのに対し、CaMKIIはDRG細胞にはα型やβ型は発現しておらず、γ型が発現していた。CaMKIIγは発生初期には極微量しか発現していなかったが、発生後期には多く発現することがRT-PCR及びウエスタンブロティング法の双方で見出された。また、カルシウム結合蛋白質NCS-1(neuronal calcium sensor-1)は1型IP3受容体と神経成長円錐上で共局在することことから、NCS-1についても同様に検討したところ、発生初期及び後期の双方で同様に強い発現が確認され、発生変化は見出されなかった。
|