2004 Fiscal Year Annual Research Report
ニホンザル、ヒヒなど国内飼育サル由来ヘルペスウイルスの実験動物における病原性解析
Project/Area Number |
16500278
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大沢 一貴 長崎大学, 先導生命学研究支援センター, 助教授 (90244756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 浩 長崎大学, 先導生命学研究支援センター, 教授 (50072947)
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Keywords | Bウイルス / ヒヒヘルペスウイルス / BV / HVP2 |
Research Abstract |
マカカ属のアルファヘルペスウイルスであるBウイルス(BV)は、ヒトに感染すると致死的な脳炎を起こすウイルスとして知られている。このウイルスは、マウスやウサギの実験動物を用いた感染実験においても致死的脳炎を発症させることができる。最近、ヒヒヘルペスウイルス(HVP2)のマウスの感染実験において、病原性のある株(nv)とない株(ap)との存在が報告された(2002年)。BVのヒトでの病原性と、HVP2のマウスでの病原性との関係について興味は尽きない。BVとHVP2とは、近縁のウイルスでありながら、病原性に差異があり、その原因についてウイルス側の因子に注目しつつ研究を進めている。 病原性のないOU2-5株(ap)のUS領域の遺伝子解析を行い、その配列をもとにして、病原性を有するOU1-76株(nv)のUS領域についても一部解析を行うことにした。両者を塩基配列レベルで比較し、病原性の差異を探ることとした。 OU2-5株(ap)のUS領域に位置するゲノム断片クローンを精製し、BV用に設計されていたプライマー、あるいは、新たにHVP2用に設計したプライマーを用いて、シークエンスを行った。これまでのところ、OU2-5株(ap)のUS領域全長が解明され(14,725bp,G+C:75.2%)、OU1-76株はUS6〜9の配列が明らかになっている。US2-5株については、アカゲザル由来のBVrh(E2490株)とのアミノ酸一致率は53%(US5)〜85%(US6)だった。OU1-76株(nv)とでは、いずれのORFでも93%以上の相同性を認め、アカゲザルとカニクイザルのBV間(BVrh/BVcy)の相同性(83%以上)を概ね上回っていた。 UL領域については、OU1-76株(nv)の解析がUL56およびOriLの一部を残してほぼ終了しつつある。
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