2005 Fiscal Year Annual Research Report
自家骨膜あるいは人工膜で被覆し間葉系幹細胞を注入する関節軟骨修復に関する研究
Project/Area Number |
16500287
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
市野瀬 志津子 東京医科歯科大学, 先端研究支援センター, 助手 (60014156)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗田 大 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50190864)
|
Keywords | ヒト滑膜由来間葉系幹細胞 / コラーゲンゲル / 骨、軟骨組織誘導 / 移植実験 / 関節骨、軟骨組織修復 |
Research Abstract |
自家骨膜で被覆し間葉系幹細胞を注入する関節軟骨修復に関する本研究を以下のごとくに実施した。 (1)強度のすぐれたウサギの自家骨膜を採取した。(2)ウサギの関節軟骨に骨、軟骨欠損部を形成した。(3)タイプIコラーゲンゲルと滑膜由来間葉系幹細胞(MSCs)の複合体を作製した。(4)ウサギの関節軟骨の欠損部にコラーゲンゲル-MSCs複合体を充填した。(5)コラーゲンゲル-MSCs複合体を充填した部位を自家骨膜で被覆した。(6)埋入1日、4週、8週、12週および24週の移植した部位を含む骨、軟骨組織を採取し、修復過程を光学顕微鏡、電子顕微鏡および免疫組織化学を用いて調べた。その結果以下のことが明らかになった。 1.埋入1日でウサギの骨、軟欠損部の骨膜下のコラーゲンゲル中に多数のMSCsを確認した。 2.埋入4週で骨膜直下のMSCsはコラーゲンゲル中で軟骨細胞様細胞へと分化した。軟骨細胞様細胞に分化したMSCsはタイプIIコラーゲンとコンドロイチン硫酸から成る軟骨気質をさかんに産生した。深層のMSCsは肥大軟骨細胞様細胞へ分化した。 3.埋入8週で骨、軟骨欠損部に被覆した骨膜組織は薄くなり、骨膜下のMSCsは成熟した軟骨細胞様細胞へと分化した。軟骨細胞様細胞に分化したMSCsはタイプIIコラーゲンとプロテオグリカンで構成される軟骨基質中に存在した。 4.埋入12週で欠損部周囲の骨、軟骨組織と再生された骨、軟骨組織との境界が消失し連続性が保たれた。深層の骨領域は上昇して、骨、軟骨欠損部は周囲の正常組織に近づく変化がみられた。 5.埋入24週で骨、軟骨欠損部の組織は周囲組織と区別がつかないまでに修復された。 以上の結果より、自家骨膜で被覆し間葉系幹細胞を注入する系で関節骨、軟骨組織の修復が出来ることを明らかにした。
|
Research Products
(6 results)