2004 Fiscal Year Annual Research Report
磁気を併用した生体電気インピーダンスCTの開発研究
Project/Area Number |
16500289
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
竹前 忠 静岡大学, 工学部, 教授 (20115356)
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Keywords | 電気インピーダンスCT / 磁界 / 渦電流 / 残差最小化法 / 逆投影法 |
Research Abstract |
磁気を併用した生体電気インピーダンスCTの開発研究として、本年度は生体モデル実験用の測定装置の改良と2次元抵抗分布画像再合成に必要なデータ収集速度およびデータ処理の高速化とについて検討した。 インピーダンスの測定装置システムは交付補助金で購入したターンテーブルシステムとロータリモータシステムとを既存のA/D、D/A変換器を備えているコンピュータに接続して構成した。これにより、印加磁界の直線方向と測定方向の回転はソフトにより行われる。また、電位差データの収集は、1次元の測定間隔すなわちセグメント幅は1mm〜5mm、測定方向は1.8度ごとに40方向で、2次元のデータ収集が自動化された。これによって、いままでの手動と目視による方法に比べ、約10倍の高速でのデータ収集が達成できた。生体の電気モデルとして、アクリル系のプラスチックと電極に銀棒を使用したファントムを試作し、それに生体の電気抵抗に近い食塩水を満たし、スポンジを挿入したものを生体の電気モデルとした。 2次元インピーダンス画像は多方向から得られた1次元インピーダンス分布から逆投影法を用いて合成して得ている。データ処理の高速化については、1次元インピーダンス分布算出で使用した残差最小化法おける最終値と初期値の設定方法から検討した。まず、すべての測定方向において同じ初期値および同じ計算回数で得られた画像を基準として、同じ初期値で残差の収束条件を2回前と1回前の残差の差と1回前と現在得られた残差の差との比を決め、それを収束条件にした場合、繰り返計算の回数が約1/2で基準としたものと同等の画像が得られた。また、1方向前に得られた最終値を初期値とすることで、さらに計算回数を減らせることが確認された。実際の生体では使用したモデルイに比べ、1.8度の測定方向では大きなインピーダンスの違いがないと考えられるため、より計算回数を減らすことが予想される。
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