2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500290
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高谷 節雄 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (40154786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 克洋 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (20322084)
星 英男 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 支援推進研究員
片岡 弘之 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 機関研究員 (90397000)
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Keywords | 小児補助循環 / 小児人工心肺 / 小児ECMO / 小児左心補助循環 / 遠心血液ポンプ / 数値流体解析 / 溶血指数 / 血栓 |
Research Abstract |
体重3Kg〜15Kgの新生児から幼児の循環補助を目的に、小型(100ml以下)、超低温充填量(5ml)、低流量(0.1-1.5L/min)、ポンプ揚程(40-100mmHg)、溶血指数(0.007g/100l)の設計基準により、遠心血液ポンプ"TinyPump"の開発を行い、流量特性、低流量制御性、溶血性能などについて検討した。 試作したTinyPumpのインペラーの直径は30mm、ポンプ外形49mm、高さ42mm、ポンプ内の血液充填量は、5mlであった。流入・流出ポート径は、1/4inchとし、ポンプは外部モーターの回転トルクを磁気カプリングによりインペラーに伝導し、血液を送り出す方式とした。インペラーは中心部の液体軸受で支持し、軸受の雄部はチタンで、インペラー中心内部に固定した雌部軸受はポリエチレンにて作成した。軸受部の間隙は0.1mmとし、軸受部にMPCポリマーコーティングを施し、耐久性、抗血栓性の向上を図った。 ポンプ流量は、1/4inchiのカニューレを使用した場合、回転数4000回転において最高5L/minが得られ、ポンプヘッド圧は最高300mmHgが可能であった。小児用の2.6mm、3.0mm、4.0mm径カニューレを接続することで、回転数の制御により0.1L/minまで逆流を起こさず、安定した流量制御が可能であった。また、豚新鮮血で行った溶血試験では、溶血指数は臨床応用されているBPX-50とほぼ同じ値の0.007g/100Lを示した。 体重20Kgの仔豚を用い行った人工心肺実験では、TinyPumpの遊離ヘモグロビン量は、臨床応用されているBPX-50とほぼ同じ傾向を示し、実験開始後2時間で5mgと低値を示した。 TinyPumpは、新生児から幼児において、開心術時の人工心肺、ECMOや左心補助循環において無輸血充填での手術を可能にし、輸血や血液希釈により起こる感染症やその他の炎症反応等の合併症を軽減でき安全・有効なデバイスであると考える。今後、慢性動物実験を通して、ポンプの長期耐久性、抗血栓症、安全性、有効性の評価を行う予定である。
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Research Products
(8 results)