2004 Fiscal Year Annual Research Report
高感度・超小型ブドウ糖センサの開発-携帯型人工膵島への応用-
Project/Area Number |
16500295
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
榊田 典治 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (50170577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 栄一 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (10253733)
宮村 信博 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (40274716)
豊永 哲至 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (60295128)
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Keywords | 携帯型人工膵島 / ポリイミド / ブドウ糖センサ / 血糖連続計測システム / センサ出力 / 過酸化水素電極 |
Research Abstract |
我々は携帯型人工膵島の一般臨床をめざし、より小型で高性能な血糖計測システムを開発すべく、すでに開発した第1・第2世代ブドウ糖センサを改良したpolyimideを応用したflexibilityに富む第3世代微小針型ブドウ糖センサ(Plセンサ;直径0.3mm)を開発し、基礎的検討をおこなった。方法として、Polyimideを主軸に白金・銀を用いた過酸化水素電極の表面にブドウ糖酸化酵素を固定しポリウレタン膜、2-methacryloyloxyethyl phosphorylcholine膜を被覆したpolyimideブドウ糖センサを作製した。 1)in vitro系:Polyimideブドウ糖センサの残余電流、ブドウ糖水溶液における出力、90%応答時間(T90%)、出力の安定性(baseline drift)について検討した結果、残余電流は、2.5Aでこれまでのセンサと有意差を認めなかった。ブドウ糖水溶液濃度200mg/dlでの出力は、46.7nAと電極表面積にほぼ比例し、ブドウ糖0〜500mg/dlの範囲でpolyimideブドウ糖センサ出力の直線性を認めた。T90%は、濃度上昇時68.5秒、下降時82.0秒で、第一世代のブドウ糖センサに比し、有意に計測時間短縮を認めた。Baseline driftは4.8%であり、第一世代の28.9%、第二世代の5.1%に比し安定性の改善を認めた。14日間に亘るアルブミン添加でのセンサ出力変化をみた結果、開始時の97.2%と有意な低下をみなかった。 2)in vitro系:健常犬(ビーグル犬)や健常者の腹部皮下組織にpolyimideブドウ糖センサを留置して、ブドウ糖負荷時のセンサ出力を連続計測をおこなった。同時に、ベッドサイド型人工膵島を用いて、血糖連続計測をおこないセンサ出力の血糖値に対する追随性と時間遅れを検討した。その結果、polyimideブドウ糖センサで測定した皮下組織ブドウ糖濃度(Y;mg/dl)は血糖値(X;mg/dl)との間に有意の相関を認め、時間遅れも約5分であった。 以上、polyimideセンサはflexibilityに富みカテーテル操作性に優れた小型のブドウ糖センサで、携帯型人工膵島応用可能であることが実証され、今後カテーテル一体型を検討予定である。
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Research Products
(4 results)