2005 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス低減のための映像と音薬を用いた生体情報提示システムの設計
Project/Area Number |
16500297
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
横山 清子 名古屋市立大学, 大学院・芸術工学研究科, 助教授 (50174868)
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Keywords | ストレス / 心拍変動 / 胃電図 / 映像 / 音楽 / 実時間インタラクション / 擬人化エージェント |
Research Abstract |
心電図・脈波・発汗量など無拘束かつ簡便に測定可能な生体信号や擬人化エージェントとの対話から、自律神経活動バランス、ストレス/リラクゼーション度合いを推定し、現在のストレス状態を表現する、あるいは、ストレスを低減する映像や音楽を提示するシステムの設計を目的としている。 本年度は、1)心電図、脈波、胃電図によるストレス/リラクゼーション度合いの評価実験・解析、2)擬人化エージェントの形状や動作が人に与える心理的影響評価、3)心拍変動時系列からの生体状態実時間推定法の検討と、CGアニメーションによるリラクゼーション度合い提示システムの試作、4)拍動間隔変動に応じた音量変化機能を付加した音楽提示システムの試作と評価を行った。各内容の概要を以下に述べる。 1)暗算作業に引き続き映像、映像と音楽、および、音楽を視聴した際の心電図、脈波、胃電図を測定し、作業ストレス及び映像、音楽によるリラクゼーション効果の評価に適した生体信号、および、指標抽出を行った。リラクゼーションの効果の評価については、その媒体が映像と音楽では異なる指標を利用する方が適切であることが示唆された。 2)ストレス度合いの評価や、リラクゼーション手法における擬人化エージェントの利用のための基礎研究として、表情や種類の異なる擬人化エージェントから人が想起する感情をSD法により評価した。人を題材としたCGでは、リアルさを高めることにより不気味の谷が現れ、不快感が増す結果となった。 3)心拍変動時系列の極値の個数などを利用し、短い時間窓による実時間性の高いストレス/リラクゼーション度合い推定法の提案と方法評価を行った。また、この方法により推定したストレス/リラクゼーション度合いに応じて表示画像を変動させるモニタリングシステムの試作を行った。 4)音楽聴取者の拍動間隔時系列の変動係数に応じて、音楽の音量が変動するシステムを試作した。作業中の背景音楽提示に本システムを適用した結果、変動係数の増加、すなわち、集中度や緊張感の減退時において音量を減少させることにより、作業時のストレスが低減し、また、作業成績も向上した。
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