2004 Fiscal Year Annual Research Report
病理組織診断支援のための標本スライド3次元解析手法の研究
Project/Area Number |
16500302
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 正信 芝浦工業大学, システム工学部, 助教授 (20338312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 雅行 千葉医療センター, 研究検査科, 科長 (00092073)
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Keywords | 病理診断 / 標本 / 3次元 / 画像解析 / 核 / デコンボリューション / ベイズ推定 / 診断支援 |
Research Abstract |
【目的】 病理組織の標本スライドを3次元の対象物として解析する手法について研究し,最終的には標本の厚さに依存しない特徴量を算出することにより病理組織診断を支援するシステムを実現する. 【研究成果】 H16年度の研究成果を以下にまとめる. (1)PC制御によりZ軸方向に0.1μmずつ移動させながら連続自動撮像が可能な撮像システムを構築し,実験用画像を撮像した. (2)標本の厚さと対物レンズの焦点深度が観察される核密度(2次元的核密度)に与える影響について理論的・実験的に検討した結果,核の直径あるいは標本の厚さが1μm異なると2次元的核密度が10%程度変動することが明らかとなった.このことから,標本の厚さに依存しない特徴量である3次元的核密度を算出することの重要性が示された. (3)実際の標本の厚さを光学顕微鏡を用いて非破壊的に測定する方法について検討し,3次元の画像データからMinimum Intensity Projectionにより2次元画像を得た結果を用いることなどにより,0.5μm程度の誤差で測定する手法を実現した. (4)標本スライドの3次元データを構築するため,Blind Deconvolutionにより画像のボケを除き物体の3次元データを得る手法について検討し,標本中の核についてボケが大幅に軽減された3次元データを得る手法を実現した.来年度以降もさらに改良を加えながら,3次元的核密度の測定や標本厚さの測定精度改善へ応用する予定である. (5)3次元的核密度を測定する別のアプローチとして,2次元の画像だけを利用して推定する手法について検討した.その結果,病理医が通常観察している画像1枚から核の断面の面積を抽出した結果から3次元的核密度を推定する手法を実現した.初期の実験結果では,90%信頼区間が推定値の±20%程度と比較的広いため,さらに推定精度を向上するための改良を行う予定である.
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Research Products
(6 results)