2005 Fiscal Year Annual Research Report
病理組織診断支援のための標本スライド3次元解析手法の研究
Project/Area Number |
16500302
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 正信 芝浦工業大学, システム工学部, 助教授 (20338312)
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Keywords | 病理診断 / 組織標本 / 診断支援 / 画像解析 / 核 / デコンボリューション / ベイズ推定 / 3次元 |
Research Abstract |
【目的】 病理組織の標本スライドを3次元の対象物として解析する手法について研究し,最終的には標本の厚さに依存しない特徴量を算出することにより病理組織診断を支援するシステムを実現する. 【研究成果】 H17年度の研究成果を以下にまとめる. (1)病理医が通常観察している病理組織画像1枚から3次元的核密度を推定する手法について,その精度の改善を試みた.従来用いていた2次元的核密度と核面積の分散の代わりに核面積のヒストグラムを特徴量として用いることにより推定精度を改善し,40倍,20倍,10倍の対物レンズを用いた場合で,それぞれ±16%,±9%,±6%の推定精度(90%信頼区間幅)が得られることを明らかにした. (2)病理組織画像から核面積のヒストグラムを得る労力を軽減するためにGUI(グラフィカルユーザインターフェイス)のプロトタイプを作成した. (3)標本スライドの3次元データを構築する手法(Blind Deconvolution)の改善を試みた.従来手法で用いられていた空間周波数領域での拘束条件をより厳密に改善すると共に,対物レンズのNAが高いことに対する補正を行った.その結果,従来法で見られていた光軸上の不自然な周期的パターンが軽減されると共に,標本が存在する領域における吸収量が増加し,結果は改善された.また,改善された手法を用いて構築した標本の3次元データより標本の厚さを非破壊測定する手法について検討し,ガラス面に接する標本の下面については高い精度で推定できる目途を得た.今度は,厚さが既知の試料を利用することで,推定精度を評価する予定である.
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Research Products
(6 results)