2005 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク・マトリックスを有する新奇I型コラーゲンの機能解析と培養工学への応用
Project/Area Number |
16500307
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
森本 康一 近畿大学, 生物理工学部, 講師 (10319741)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 卓也 近畿大学, 生物理工学部, 助教授 (30101398)
吉川 隆章 奈良県立医科大学, 整形外科, 講師 (90275347)
|
Keywords | 網目形成コラーゲン / 細胞培養 / 細胞接着 / 好中球 / 線維芽細胞3T3-L1 / 免疫電子顕微鏡観察 / 蛍光顕微鏡観察 / 走査型電子顕微鏡観察 |
Research Abstract |
平成17年度は,1.ネットワーク・マトリックスコラーゲン(NM?コラーゲン)の分子レベルでの構造解析,2.線維芽細胞3T3-L1の培養観察,3.マウス好中球との相互作用の蛍光顕微鏡による観察,で新しい知見が得られた.以下に詳細を示す. 1.アミノ酸一次構造が既知であること,細胞培養に適する温度耐性をもつこと,調製が容易であることなどを考慮し,ニワトリ皮を原材料としてNM?コラーゲンを調製した.本年度は,ペプシンで加水分解したアテロコラーゲンとNM?コラーゲンの抗原特異性と結合能に関する知見を得た.酵素免疫測定法にて抗コラーゲン・ポリクローナル抗体(特異性:3重螺旋構造)を用いてその反応性を調べた結果,抗体結合量はアテロコラーゲンよりNM?コラーゲンの方が多かった.この結果は,免疫電子顕微鏡でも観察されたことから,コラーゲンの抗原提示量が変化する構造変化が示唆された. 2.これまでに,走査型電子顕微鏡観察によりNM?コラーゲンは線維形成しない特性をもつことが明らかになった.本年度は,線維芽細胞である3T3-L1を培養してその増殖能などを観察した.NM-コラーゲンを固定化した培養条件(3日目)では,3T3-L1細胞は著しく増殖能が低下し,細胞周辺が繭のような形態をしていた.アテロコラーゲンを固定化した培養条件(3日目)では,増殖能は低下していたが,繭のような形態は観察されなかった. 3.好中球とNM-コラーゲンの相互作用をDAPI(核染色)とローダミンファロイジン(アクチン染色)にて蛍光顕微鏡で観察した.その結果,アテロコラーゲンとNM-コラーゲンで明らかな差異が認められた. 以上の結果より,研究成果は概ね計画通りに進行したことが示された、本研究により興味深い知見が得られたことから,継続してNM-コラーゲンの特異な性質と細胞との相互作用を調べる価値が高まった.
|
Research Products
(6 results)