2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスケールアパタイト生体結合膜による人工関節軟骨への高度組織親和性付与
Project/Area Number |
16500308
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
速水 尚 近畿大学, 生物理工学部, 助教授 (20173057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本津 茂樹 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (40157102)
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Keywords | 人工関節軟骨 / ハイドロゲル / アパタイト / 超薄膜 / 生体親和性 / レーザアブレーション / バイオメカニクス |
Research Abstract |
1.アパタイト(HA)被覆したインプラントのバイオメカニクス的評価 約10000nmの厚さでレーザアブレーション被覆したビーズ型人口歯根の表面およびビーズが形成する連通孔断面におけるCa元素分析を行った。そして,HAが連通孔深部にまで到達していることを確認した. 一方,厚さ約3000nmのHA被膜インプラントをイヌ下顎骨に埋入し,術後5および9週での骨成長をμCT画像によって評価した,その結果,HA被膜インプラントの連通孔深部への骨成長速度は,HA被覆しない場合に比べて2倍程度速いことがわかった,また,術後8週における引抜強さは,HAの影響は認められず500N程度であった,しかし,術後12週における引抜強さは400Nに低下しており,連通孔深部での応力遮断が原因と思われる進入骨先端部における骨萎縮の発生が疑われた. 2.HA被覆した人工関節軟骨ポリビニルアルコールハイドロゲル(PVA)の生体親和性評価 3種類の含水率,2種類の重合度をもつ計6種類のPVAを作製した.PVAの亀裂進展抵抗は未だ確定値を得ることはできていないが,最も弱かったPVAでも高級構造プラスチック材料とされるABS樹脂に比べて1.3倍程度大きいことが示唆された.また,HA被覆とその処理過程がPVAの引張強さに与える影響はほとんどなかった.亀裂進展抵抗にもその影響は少ないことが示唆された. 一般的な方法によって,HA被覆したPVA表面でのマウス骨芽細胞および線維芽細胞の増殖実験を行った.HA被覆したPVAでは,細胞は伸展して偽足をのばしている様子が確認できた.HA被覆しなかったPVAでも一部に細胞進展は見られたが,細胞接着性は被覆した場合に比べて半分程度であった.また,PVAの含水率によって細胞接着性と倍加速度が変化し,その変化特性から細胞増殖に最適なPVAの含水率が存在することが示唆された.
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Research Products
(1 results)