2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500323
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Research Institution | JICHI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松本 浩一 自治医科大学, 医学部, 助手 (40275706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
草間 幹夫 自治医科大学, 医学部, 教授 (60124690)
谷口 信行 自治医科大学, 医学部, 教授 (10245053)
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Keywords | 口腔内専用超音波探触子 / 操作性 / 解像度 / 正常画像 / 扁平上皮癌 / 鑑別診断 / 質的診断 |
Research Abstract |
今回開発した探触子の特徴は、口腔内に挿入しやすくするため、保持部分は、いわゆる歯ブラシの柄を長くした細長い形態とし、素子部とともに硬い構造物で覆った。素子配列は、良好な分解能を得やすいリニア型とし視野幅10mmとした。周波数を10MHzに設定し、走査法はBモード断層像、カラーおよびパルスドプラ法の利用を可能とした。さらに、保持部先端に注水管と空気・水抜きのため管の先端がついていて、それぞれの管の中程の弁を閉じることで密閉することができる構造となっている。さらに、探触子の素子部周囲に水袋をおくことで腫瘤表面の性状の影響を受けずに検査可能となった。この探触子の操作性と分解能を評価した。 正常舌の超音波画像では、舌粘膜表面と粘膜上皮層、粘膜下層、固有筋層に分けて観察することが可能で、0.1mm単位での分解能が得られた。その他、正常な頬粘膜、口底、下唇、口蓋、下顎歯肉についても同様の解像度が得られた。 舌、および頬粘膜扁平上皮癌の超音波画像において深達度の測定は0.1mm単位で正確に測定することが可能であった。その他の対象疾患は、左下唇類表皮嚢胞、左舌縁部肉芽腫、左舌下面切断神経腫、右口底部肉芽形成を伴う異物、左上唇血管平滑筋腫、右下唇粘表皮癌であった。 得られた超音波画像にて内部、辺縁、境界、後方Echoを観察した。さらに、カラードプラ法にて病変内および周辺血流についても観察し、良悪性疾患の鑑別と質的診断の有用性について検討した。 検討の結果、悪性の診断には、辺縁の不整と周辺血流の増大所見が最も信頼性があると思われた。内部不均一も悪性の可能性が考えられるが、境界不明瞭、後方エコーの減弱は悪性の診断的根拠としては不十分と思われた。 開発した口腔内専用探触子は、口腔内での操作性に優れ、解像度も良好で、腫瘍表面の形態に影響を受けずに検査可能であった。さらにカラードプラ法を併用することで、より詳細な情報を得ることができ、病変部の質的診断にも有用であった。
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