2005 Fiscal Year Annual Research Report
安全性確認を目的とした超音波照射時の生体内温度上昇の精密測定と数値解析法
Project/Area Number |
16500325
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Research Institution | KANAGAWA University |
Principal Investigator |
遠藤 信行 神奈川大学, 工学部, 教授 (20016801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 健伸 神奈川大学, 工学部, 助手 (50291745)
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Keywords | 生体内温度上昇 / 超音波照射 / FDTD-HCE法 / 寒天ファントム / 熱電対 |
Research Abstract |
超音波診断装置は生体に侵襲を与えないという安全性から医療診断のファーストチョイスとして用いられてきた。しかし、近年の超音波診断装置の高性能化・高出力化あるいは超音波治療機器の開発に伴い、超音波医用機器の安全性について注意を促す必要性がでてきた。 そこで、医用診断あるいは治療応用における生体への安全性の確認を最終目的とし、超音波照射時における生体内温度の推定と確認のための計測法の開発を行った。基礎研究として、生体ファントムに超音波を照射した時の温度上昇の精密計測、ならびに温度上昇予測のための数値解析法の開発を行った。以下に研究の概要を示す。 (A)ファントム内の温度計測 生体軟部組織を模擬した寒天ファンファントムの製作法を確立した。これにより、比較的再現性良く生体軟部組織を模擬するファントムを製作することが出来た。このファントムと複数のマイクロ熱電対センサーを用い、種々の条件下において、寒天ファントム中の温度分布を同時に計測した。次項のシミュレーション結果と比較的良い一致を見た。 (B)生体内温度上昇推定法の開発 超音波照射による温度上昇を推定するために、FDTD-HCE法を用いて生体中の複雑な状況下での温度分布を算出する計算法を開発した。実際の超音波診断装置を考慮し、電子収束がたの探触子による温度推定を行った。さらに、パルス超音波を用いれば、生体内温度上昇が生態にほとんど影響ないことを突き止めた。さらに、推定精度を向上するための3次元計算法の開発と、計算時間短縮のための研究も行った。このために複数のPCを連結した3次元計算用並列演算プログラムの開発も行った。
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Research Products
(6 results)