2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500330
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
真野 行生 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20145882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生駒 一憲 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (70202918)
中馬 孝容 北海道大学, 病院・助手 (70281805)
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Keywords | 頭部外傷後遺症 / 磁気刺激法 |
Research Abstract |
頭部外傷後遺症には、身体障害以外にも、認知、情緒および社会的行動障害が出現することがあり、これらは高次脳機能障害として一括される傾向がある。高次脳機能障害を起こす脳損傷部位として、前頭葉や側頭葉などの局所損傷以外に、脳白室の損傷を主体としたびまん性軸索損傷が関連していると考えられている。このびまん性軸索損傷は脳梁に病変が多いことは以前より知られている。しかしながら、神経心理学的検査により、知能の低下や記憶障害、情報処理障害などが認められた場合でも、必ずしもそれに見合う脳病変を伴っていないこともあり、頭部外傷後遺症の診断に困難を投げかけている。 今回、頭部外傷患者に脳梁病変が多いことを考慮し、大脳皮質を頭蓋から安全に刺激できる経頭蓋磁気刺激法を用い、脳梁抑制を測定し、頭部外傷後遺症の新しい客観的評価の確立を目指した。様々な電気生理学的検査の中でも、経頭蓋磁気刺激法を用いた脳梁抑制は、運動野→脳梁→対側の運動野→錐体路→末梢神経と伝導路が最も長く、頭部外傷のような、びまん性の病変を持つ病態において、有用なスクリーニングと考えられる。さらに頭部外傷後遺症において客観的な評価の確立は、診断だけではなく、様々なリハビリテーション手段の適応の判定、予後、治療効果判定にも有用である可能性がある。同様に、心理検査との関連においても、今後の頭部外傷後遺症の診断に大きな貢献をもたらすと考えられ研究を行なったが、代表研究者死去のため、平成16年11月にて本研究は終了となった。
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