2004 Fiscal Year Annual Research Report
随意運動遂行機能障害に対する連続経頭蓋磁気刺激を用いた臨床応用
Project/Area Number |
16500331
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中馬 孝容 北海道大学, 病院, 助手 (70281805)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生駒 一憲 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (70202918)
|
Keywords | 連続経頭蓋磁気刺激 / パーキンソン病 / 前頭前野背外側部 / cortical mapping |
Research Abstract |
連続経頭蓋磁気刺激(rTMS)は、難治性疾患に対する臨床応用の検討が数多くなされている。rTMSは、低頻度と高頻度の2種類あり、中枢神経系の興奮系ニューロンや抑制系ニューロンに影響を与えることができるといわれている。今回、われわれは、パーキンソン病を対象として、低頻度のrTMSを投与し、投与部位の差による影響を検討した。対象はパーキンソン病13名で、男性3名、女性10名で、平均年齢は69.2±6.2歳である。方法は被検者を安静座位にさせ、症状の強い側の短母指外転筋(APB)の運動閾値(MT)を8の字コイルを用いて測定し、その120%MTの刺激強度で、(1)前頭前野背外側部、(2)補足運動野、(3)運動前野、(4)第1次運動野の4箇所の部位に各々、0.3Hz、50回のrTMSを投与した。rTMS前後にてAPBのcortical mappingを測定した。磁気刺激装置にはmags tim200を用いた。(1)へのrTMS投与は11名、(2)へのrTMS投与は7名、(3)へのrTMSは10名、(4)へのrTMS投与は10名であった。全例において、インフォームドコンセントを実施した。結果は、rTMS投与前後におけるAPBのcortical mappingの振幅の総和の差(mV)を比較したところ、(1)では4.4±6.0mV、(2)では-1.5±7.1mV、(3)では-1.4±2.2mV、(4)では-2.1±6.2mVであった。(1)へのrTMS投与後においては、APBにおけるMEPの振幅は大きくなり、導出されたMEPのmapping areaは拡大する傾向がみられた。前頭前野背外側部におけるrTMSはうつ病に影響をきたすとの報告が散見される。パーキンソン病を対象としたrTMSでは、投与部位によりその影響に差がみられる傾向があり、前頭前野背外側部への低頻度rTMSは、興奮性が増強する傾向がみられた。
|