2004 Fiscal Year Annual Research Report
歩行機能再建を目指した外骨格型ロボットシステムによるニューロリハビリテーション
Project/Area Number |
16500336
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
太田 裕治 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (50203807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 公孝 国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所, 運動機能障害研究部, 室長
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Keywords | 脊髄損傷 / Central pattern generator / トレッドミル / 外骨格型歩行ロボット / 足関節外乱デバイス / 伸張反射 / 歩行モデル |
Research Abstract |
(1)市販の脊髄損傷者用歩行装具をベースに、制御性に優れる小型ACリニアアクチュエータを両膝関節および股関節に組み込み外骨格型歩行ロボットシステムを開発した。また、この歩行ロボットをトレッドミル上で速度同期して動作させるための制御用シーケンサも開発した。(2)本システムを用い、胸髄完全損傷者5名(第5〜12胸髄損傷)を対象に、装具着用状態でトレッドミル上を歩き,歩行安定後に1試行30秒として歩行動作並びに歩行関連筋の活動量を計測した.速度は1.4,1.6,1.8km/hの3種類とし,各速度において1試行の歩行を実施した.その結果、膝関節回転に伴う筋活動の変化は,必ずしも全ての被験者に共通の変化を認めなかったものの,遊脚期における膝関節の屈曲伸展により直接筋長の変化がもたらされる大腿筋群,腓腹筋に変化を認める被験者が多かった.また、股関節回転と筋活動の相関関係を求めたところ,内側腓腹筋は強い相関を示し,股関節からのより大きな求心性入力により筋が賦活されたと考えられた.(3)さらにバネと電磁石(株フジタ,FSGP-40,400N)を組合わせた、足関節周りからCPGに外乱としての伸張刺激を加えうるデバイスを開発し、脊髄損傷者を対象に筋電応答を調べた。すなわち、6名の完全脊髄損傷者を対象に,立位で股関節に静的/動的変化を与えたときの伸張反射の振幅モジュレーションを検討した.足関節伸張刺激の角度変位量ならびに速度は,10〜20deg,100-300deg/sec程度とした。その結果,股関節伸展位(立位・静的)は,他の姿勢と比較し伸張反射を高めること、振幅モジュレーションは脚を振り出した動的状態で変化すること、等を見出した。以上の(2)(3)の実験データを踏まえ,神経・筋制御系のモデル化を行うことが可能と考えられた.
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