2005 Fiscal Year Annual Research Report
歩行機能再建を目指した外骨格型ロボットシステムによるニューロリハビリテーション
Project/Area Number |
16500336
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
太田 裕治 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (50203807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 公孝 国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所, 室長 (90360677)
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Keywords | 機械力学制御 / 知能ロボティクス / 医療福祉 / リハビリテーション |
Research Abstract |
本研究では歩行リハビリテーションを目的とした装着可能な外骨格型ロボットを開発するとともに,ロボットシステムのリハビリテーション臨床を通じ,神経・筋機能の回復過程における生理的基礎データを得て,ヒトの2足歩行機能の再建メカニズムを神経・筋システムから医工学的に解析することを目的とする.本年度は,昨年度に開発した足関節外乱デバイスによる反射実験を通じ,歩行CPGの応答を解析を中心に行った.具体的には,立位ヒトのヒラメ筋伸張反射の興奮性に対する股関節固有受容器の影響を検証した.足関節外乱デバイスを歩行装具の脚部分に取り付け,立位時に伸張反射応答を引き出すために使用した.完全脊髄損傷者6名・健常者6名の対象に,静的,もしくは,動的に股関節角度を変化させつつ伸張反射応答を誘発させた結果,股関節中立ならびに屈曲時と比較し,股関節伸展がより大きな伸張反射応答を誘発することが分かった(脊髄損傷者による静的実験,142±16.6%増).さらに,脚を動的に振った場合,その反射応答は脊髄損傷者群では,股関節角度とともに変化することが分かった.とくに,反射振幅は股関節伸展時ならびに屈曲から伸展までの遷移期間で増加することを見出した.変化の大きさは脊髄損傷者群より少なかったものの,同様の傾向を健常被験者群にも見出した.脊髄損傷者が高位中枢と麻痺下肢筋肉間の神経接続を失っていることを考えると,本結果の基礎メカニズムとして,股関節角度変化による求心性入力変化を考えることが可能である.実験を通じ,股関節の求心性入力はヒラメ筋伸張反射の興奮性変調に重要な影響を与えることを見出すとともに,そのような神経モジュレーションは歩行中の伸張反射の位相依存モジュレーションの重要メカニズムとなりうると考えられた.
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