2005 Fiscal Year Annual Research Report
前腕の固有振動数と生体特性を利用した骨強度評価に関する研究
Project/Area Number |
16500343
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
矢野 澄雄 神戸大学, 発達科学部, 教授 (20115306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 博也 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (90294256)
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Keywords | 骨強度 / 生体特性 / 前腕 / 固有振動数 |
Research Abstract |
ヒトの骨の質・強さを評価する指標の加齢特性と筋肉の影響を評価するための測定に関する研究実績は次のとおりである。 1.骨の質・強さの評価について:筋肉の影響を評価するために、前腕遠位20%断面でのCT画像をソフトウエアで解析し、筋肉断面積と皮質骨断面積の比(B/M比)を指標として加齢的な推移を調べている。筋肉断面積は50歳代から80歳代まで加齢とともに低下する傾向は認められる。しかし、皮質骨断面積や骨密度の加齢特性と比べると、データ数がまだ十分多くないという前提であるが、20歳〜49歳グループに対する70歳・80歳代の低下率は小さいようである。また、20%断面での筋肉断面積と皮質骨断面積の相関係数は0.5弱、骨密度(4%と10%断面の4種類)とはいずれも0.3未満であった。 これとは別に、前腕骨の固有振動数の計測とヤング率相当の工学的強度指標の算出により、年代別の骨強度の加齢特性を構築中である。骨強度指標に用いる総骨密度について、(20%断面÷4%断面)の値はどの年齢層でも約0.4であることがわかり、測定の点から4%断面のものを用いて評価することにした。また骨強度の年代別データがそろえば、骨密度や解析中のB/M比の特性との3指標間の比較も可能になる。 2.簡易な測定器に用いるセンサについて:フィルム状のセンサを用いて生体を計測する場合について、PVDF圧電フィルムの曲げと引張の力学的特性実験を行い、フィルム面の局所的な変形はあまり影響がなく、両端の勾配に大きく影響されることを確認した。感圧式導電性センサの場合には、荷重と出力電圧の直線性や身体装着に利点があるが、受圧部に垂直方向の力しか測定できないので、それ以外の力成分を検出する簡単な仕組みを考案する必要がある。
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