2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500346
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
新田 收 首都大学東京, 健康福祉学部, 教授 (80279778)
|
Keywords | 手すり / アシスト機構 / 起立動作 / 高齢者 / 介助 / リハビリテーション / 機能低下 / 日常生活活動 |
Research Abstract |
昨年すでに製作したアシスト型手すりをもとに,利用者の起立動作と手すりの移動軌跡について分析を行った.この結果を元に最適な制御プログラムについて検討を重ね,試作した制御プログラムにより健常成人による手すり動作実験を行った. 手すりが起立動作に同期して移動する設定とてすりが固定されている場合を行い,この時の四肢の筋活動の差異を分析した.この結果手すりを起立動作に同期させ移動させた場合上下肢の伸展筋活動負担を軽減させることが示された. さらにパーキンソン患者を対象として,本手すりが有効に機能するか臨床試験を行った.パーキンソン病患者ではその動作の特徴として重心移動の円滑さが失われることが知られており,起立動作時介助を必要とする場合も多い.臨床試験では「アシスト型手すり」をパーキンソン病患者に導入した場合,起立動作がどのように影響するかについて明らかとすることを目的とした. 分析対象はパーキンソン病群8名(平均年齢76.0歳(69-84),yahrの重症度分類III5名,IV3名)とした.手すりの移動軌跡は単に体重心の上方移動を助けるのではなく,人の自然な起立動作,つまり上体を前方へ屈曲することにより重心を一旦前方へ移動させ,この後上方へ立ち上がるという一連の動作を誘導することを目的としてプログラムを作成した. 実験の結果,パーキンソン病患者では起立時,患者本人は椅子座位から前方への重心移動を経ず直線的に起立しようとし,結果的に起立不可となる場合が観察された.この動作に対し,被験者8名中2名において,前方への重心移動を促す「アシスト型手すり」は起立動作を助け,動作を可能とすることが示された. この結果起立動作に困難を感じ,日常的に介助を必要とする患者において,本手すり利用によって独力で起立可能となり得ることが示された.
|
Research Products
(9 results)