片麻痺に対するハイブリッド・パワーアシスト治療的電気刺激

2004 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16500363
• Research Institution: Nippon Medical School
• Principal Investigator: 原 行弘 日本医科大学, 医学部, 助教授 (20198899)
• Keywords: 脳卒中 / 機能的電気刺激 / 片麻痺 / 神経ブロック

Research Abstract

1.パワーアシスト型電気刺激装置の作製・version-up
電気刺激装置のチャンネル1は、同一の電極で筋電信号記録と電気刺激を兼用するチャンネルである。電気刺激そのものと筋肉の筋電信号を混同しないように特殊な回路を利用する。装置全体はできるだけポータブルに作製できるように設計してある。筋電信号をピックアップする感度と電気刺激強度は自由に可変設定できるようなポータブル筋電比例式電気刺激装置の開発・作製を行ない、安全性、機能を確認の上で脳卒中患者の機能改善に関する検討をおこなう。
2.対象:事前にインフォームドコンセントがえられた脳卒中発症後1年経過した慢性期脳卒中患者8名。片麻痺上肢の手関節伸展、手指伸展運動が僅かに可能であるが、flexor synergyなどにより伸展制限されているもの。また、肩関節屈曲が可能であるが、制限されており麻痺側上肢の巧緻運動障害をきたしているものを対象とした。
3.方法:脳卒中片麻痺側の各筋肉のモーターポイントに表面電極を固定した。
A.手関節伸展・手指伸展動作:1)手関節伸筋群,2)総指伸筋,3)固有示指伸筋,
B.肩関節屈曲動作:1)三角筋前部線維,2)棘下筋
最終的に僅かな筋収縮に対し比較的弱い電気刺激が行なわれ、強い電気刺激にはさらに強い電気刺激が行なわれるようにパワーアシスト的機構を被験者毎に設定した。
拮抗筋に痙縮が認められ、共同運動パターンが障害となる場合には、神経ブロックを併用した。手関節手指関節伸展、肩関節屈曲での自動的可動域、各筋肉での最大収縮時のroot mean square、巧緻運動テスト(9ペグテスト)に改善が認められた。