2005 Fiscal Year Annual Research Report
駆動系設計に微分幾何学を用いた3次元移動福祉機械の高機能化に関する研究
Project/Area Number |
16500365
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
橋野 賢 東京工科大学, バイオニクス学部, 教授 (00350504)
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Keywords | 階段昇降機 / クロール型移動機構 / 微分幾何学 / 駆動系 / Mathemtica |
Research Abstract |
日本家屋に多くみられる折返し階段の内側壁面にそって設置される低騒音、低振動階段昇降機の開発研究である。本システムは、人を搭載する移動本体、本体姿勢を維持し階段にそって昇降するためのガイド類から構成される。またガイド類は昇降のための反力を発生する駆動ガイド、本体姿勢を鉛直に維持するための走行ガイドから構成される。対象とする階段は、水平部、斜線部、折返し部とそれぞれを接続する部分から構成され、本プロジェクトの主要課題は折返し部の開発である。階段折返し部では常螺旋3次元曲線に沿って昇降できるように、駆動ガイドを設計、試作した。本プロジェクト前の研究では駆動ガイドは歯面が上向きに取り付けられ、折返し部を含め全行程スムースな昇降を実現した。本プロジェクトでは階段を共存して使用する健常者の安全のため歯面を下向きにした。歯面を上下逆にするための大きな設計変更は折返し部のみである。折返し部における駆動ガイドの形状が3次元形状となるが、全て同じ形状のため高コストには結びつかない。折返し部と斜線部の走行はスムーズである。しかし、折返し部と斜線部の乗り移り部では重量(160Kg)の影響が予想以上に大きくスムーズにはいかなかった。歯面を上向きにした場合に比べ、製作精度、取付精度の影響が大きいと推測される。 歯面上下方式のどちらが精度の影響を受けにくいか数学的に見極める必要がある。階段昇降部は非常に重たいため実機を用いたシミュレーションは不可能である。非常に軽いモックアップを作成するか、微分幾何学を用いて検討する必要がある。さらに、駆動ガイドの3次元形状の製作精度を高めるために曲線データから曲面データへの変換方式の研究が必要である。
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