2005 Fiscal Year Annual Research Report
光トポグラフィー法を用いた手続き記憶検査課題遂行時の脳機能活動の検討
Project/Area Number |
16500368
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
岡崎 哲也 産業医科大学, 医学部, 講師 (40352314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蜂須賀 研二 産業医科大学, 医学部, 教授 (00129602)
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Keywords | 近赤外線分光法 / 光トポグラフィ / 手続き記憶 / 前頭葉 |
Research Abstract |
1.目的 光トポグラフィー法を用い手続き記憶検査課題遂行時の脳機能活動を検討する. 2.対象 手続き記憶課題未経験の健常者9名(男性5名,女性4名,年齢(平均±SD)24.6±3.4歳). 3.方法 (1)手続き記憶課題:臨床上用いられる鏡映読字,鏡映描画,トロントの塔の3種を用いた.いずれの課題も1日に3回行い,3日間連続して行った. (2)光トポグラフィー測定:光トポグラフィ装置(ETG-100,日立メディコ)のプルーブを前頭部へ装着し計22チャンネルの測定を行った.ブロックデザインのタスクとした各々の手続き記憶課題の対照となるレストとして鏡映読字へ正像文字判読,鏡映描画へ直視下の描画,トロントの塔へ単なるディスク移動を設定した.<測定1>対象者にとって新奇な課題である1日目の課題開始前に施行.<測定2>習熟した課題となった3日目の終了後に施行. 4.結果と考察 (1)手続き記憶課題:1日目3回施行の平均所要時間(回数)に比べ3日目3回施行の平均所要時間(回数)は鏡映読字で20.9%,鏡映描画で43.6%,トロントの塔で34.7%減少し,対象者が各課題に習熟したと考えられた. (2)光トポグラフィー測定:測定1でいずれの課題においても前頭前野の複数のチャンネルで課題遂行時に脳血液量の増加パターンを認め,臨床的に利用している課題を遂行中の前頭前野の賦活を示すことができた.測定2でも前頭前野の複数のチャンネルで手続き記憶課題遂行中に脳血液量の増加パターンを認めた.測定1,2で前頭前野の賦活に差異があるかについては慎重な解釈が必要と考えられる.その理由として個人間における課題難易度の相違,光トポグラフィーの原理上の制約(相対的な変化量を測定,限られた空間分解能)等がある.各課題間や課題習熟前後の脳賦活の相違を明らかにしていくには,課題や測定方法に工夫を加え対象者数を増していくことが必要である.
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