2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500377
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金久 博昭 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50161188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 素樹 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (30313167)
久保 啓太郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70323459)
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Keywords | 発育期 / 筋腱複合体 / 筋束長 / アキレス腱長 / 羽状角 / 3次元超音波法 / 関節トルク / 歩・走パワー |
Research Abstract |
本研究は、四肢の筋量、筋線維配置、腱組織の形状と弾性、筋力および走・跳動作のパフォーマンスに関する測定を発育期児童・生徒を対象に実施し、発育期における筋腱複合体の形状と機能について明らかにすることを目的としている。平成16年度は13歳から17歳までの男子86名、女子49名について、身体組成(皮脂厚および筋厚)、関節トルク(肘・膝・足関節)、歩・走パワー、フィールドテスト(走・跳のパフォーマンスおよびスクワット・ベンチプレスでの最大挙上重量)、筋束配置(超音波2次元計測および3次元計測)および足関節周りの腱伸長量および受動トルクについて測定を実施した。そのなかで腓腹筋筋束配置に関する3次元計測は、発育期児童生徒に適応したものとして世界で初めてのものであり、本年度実施した測定は横断的なものであるとはいえ、発育期における筋と腱の成長に関し特筆すべき結果が得られた。すなわち、超音波3次元計測により、腓腹筋の筋束長、羽状角、筋腹長およびアキレス腱長を測定し、それらと下腿長との関係を分析したところ、アキレス腱長のみが下腿長と有意な相関関数を係した。この結果は、脛骨や腓骨の長軸方向の成長と筋腹の長軸方向の成長とは一致せず、筋腱複合体は骨による長軸方向の伸長分を腱の伸長によって担っている可能性を示唆している。また、下腿周径囲は筋厚と相関関係にあり、筋束長とは有意な関係を示さなかった。このことから、成長による筋断面積の増大は、羽状筋の場合に、筋束長の増加を伴うものではなく、羽状角の増大という形で筋線維が肥大するという過程に基づくものであると推察された。
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