2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500377
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金久 博昭 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (50161188)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 素樹 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助手 (30313167)
久保 啓太郎 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助手 (70323459)
|
Keywords | 発育期 / 筋腱複合体 / 三次元超音波法 / 筋量 / パフォーマンス / アキレス腱長 / 性差 / 生体電気インピーダンス法 |
Research Abstract |
本年度は、1)中学生および高校生の三次元超音波法を用いた腓腹筋とアキレス腱の縦断測定に加え、2)幼稚園児の筋の厚み、筋力、運動能力における性差、3)小学生から高校生までの男女の筋断面秋と筋力との関係、4)中学生および高校生の筋形状およびアキレス腱長とパフォーマンスとの関係、5)生体電気インピーダンス法による中学生男女の四肢および全身の筋体積推定の可能性に関する測定と分析を実施した。各検討項目における主な結果は以下の通りであった。 1)腓腹筋とアキレス腱の形状パラメータの平均値±SD値として、全筋長41.9±2.3cm,筋腹長23.8±1.9cm,腓腹筋外部腱長18.1±2.3cm,ヒラメ筋外部腱長6.1±1.6cm、筋東長6.4±0.8cm、筋厚1.9±0.3cm、羽状角18.0±1.9°が得られ、成人男性の計測値と比較して、筋厚ならびに羽状角の計測値は有意に小さなものであった。腓腹筋外部腱長/全筋長比およびヒラメ筋外部腱長/全筋長比は、それぞれ中・高校生で0.43±0.04,0.15±0.04であり,成人男性では0.41±0.05、0.14±0.02であり年齢差がほとんどみられなかった。下腿長と全筋長および腓腹筋外部腱長との間に相関関係(R_<筋束長>=0.79,R_<腓腹筋外部腱長>=0.46,p<0.05,N=38)が認められ、筋束長と筋厚は下腿周径囲と有意な相関関係(R_<筋束長>=0.47,R_<筋厚>=0.60,p<0.05,N=38)にあった。 2)5歳児では、10m走速度を除き、形態、筋厚:、トルクに有意な性差は認められなかったが、6歳児では、形態、・筋厚に有意な性差が存在しないにもかかわらず、10m走速度、立幅跳、トルクに有意な性差が存在した。また、トルクは5歳児より6歳児が有意に高い値を示したが、筋体秋指標当たりのトルクには年齢差が認められなかった。 3)大腿四頭筋および構成筋の断面積は、男女とも13歳前後まで年齢が進むにつれ増加する傾向にあった。大腿部全筋断面秋に対する大腿四頭筋断面秋の割合は、男女とも年齢がすすむにつれ僅かに減少する傾向がみられたが、大腿四頭筋断面積に4つの構成筋の各断面秋が占める割合には性、年齢による違いは存在しなかった。大腿四頭筋筋体積指標当たりの膝伸展トルクは、鹸的および動的いずれの活動様式に関係なく、小学生低学年が高校生より低い値を示した。 4)上腕後部、大腿前部、下腿後部の筋厘および3筋の筋厚は、いずれも男子が女子より有意に高い値であった。羽状角は腓腹筋内側頭および上腕三頭筋で、筋東長は外側広筋および上腕三頭筋で、それぞれ男子が女子より有意に高い値:を示した。筋厚および肢長は、それぞれ羽状角および筋東長との間に有意な相関関係を示さず、それらにおける性差は、羽状角および筋東長の男女間の差を説明する要因とはならなかった。男女ともアキレス腱長が長いものほど、立5段跳の成績に高い値を示す傾向にあった。 5)インピーダンスインデックスはMRI法によって求めた筋体積との問に有意な相関関係にあり、上腕部のインピーダンスインデックズを独立変数とする予測式により、全身骨格筋体積の推定が可能であることが明らかになった。
|