2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの随意筋活動におけるrelaxation機構のパフォーマンス向上への応用
Project/Area Number |
16500379
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
河辺 章子 神戸大学, 発達科学部, 教授 (30153000)
|
Keywords | relaxation / パフォーマンス向上 / 随意筋活動 |
Research Abstract |
代表者らがここ数年行ってきたヒトの随意relaxationに関する研究から,relaxation特有の筋放電反応パターンが発現することが明らかになってきた.一定の等尺性筋力を発揮した状態から急激なrelaxationを行うと,筋活動が一旦休止するが,その後まるでリバウンドしたかのような筋放電が発現する.本研究はこのrelaxation特有の筋活動をパフォーマンスの向上に利用できるのではないかと考え,計画したものである. 主働筋の素早く意図的なrelaxation後に現れる筋放電のパフォーマンス向上への応用の可能性は次の2点に絞られる. ・relaxation後の随意的な筋活動とタイミングを合わせることができれば,さらに大きな力を発揮することができるかもしれない. ・relaxation後の筋放電を利用すれば随意に次の反応を起こすよりも短い潜時で反応を開始することができるかもしれない. 本年度は,relaxationがパフォーマンスの向上に寄与できる可能性を,発揮筋力の増大という面から検討を加え,relaxationの応用について探ることを目的とした. 《被検者》本実験にご協力いただいた被検者には,本研究の目的・方法・意義などについて事前に十分な説明を行い,実験に参加することを書面にて承諾を得た. 《実験》目的:relaxationが発揮筋力の増大に貢献するのではないかという仮説を検証する. 方法:上腕二頭筋及び三頭筋を被検筋として,肘関節屈曲力及び伸展力について検討した.実験手続きは代表者らによる先行研究とほぼ同様であるが,動作課題として,一定筋力発揮状態から急激なrelaxation後,できるだけ大きな力を発揮するという動作を用いた.対照群として,意図的なrelaxationを行わずに一定筋力発揮状態から最大筋力発揮を行う条件も設定した.発揮筋力や単位時間当たりの筋放電量などから評価を行った.詳細な分析は現在進行中である.
|