2006 Fiscal Year Annual Research Report
トレーニングが高強度運動による筋小胞体ATPaseタンパクの酸化を防御できるか?
Project/Area Number |
16500419
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
松永 智 大阪市立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 講師 (70221588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 一志 大阪市立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 教授 (50167160)
和田 正信 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (80220961)
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Keywords | 高強度運動 / 高強度トレーニング / 筋小胞体 / タンパク質酸化 / Ca^<2+>-ATPase |
Research Abstract |
骨格筋細胞において、筋収縮や筋弛緩のシグナルとしての働きを持つカルシウムイオン(Ca^<2+>)は、筋小胞体によって制御されている。近年、この器官の機能不全が筋疲労を招来する大きな要因として注目されており、我々は今までの先行研究において、筋小胞体Ca^<2+>-ATPaseタンパクの酸化がこの機能不全に関与していることをみいだしている。しかしながら、トレーニングにより筋小胞体機能が亢進し、このCa^<2+>-ATPaseの酸化の防御に貢献する可能性が推察されるが、詳細については未だ不明である。本研究では、高強度トレーニングが筋の疲労軽減に貢献するという仮説を立て、その検証を行うことを目的とした。 本年度は、Wistar系雄性ラットに5週齢から8週間にわたり高強度走トレーニング(50m/sec,2.5min,3分間隔,5回,週3回)を負荷し、それが一過性の高強度運動に及ぼす影響について、筋小胞体機能と筋小胞体Ca^<2+>-ATPaseタンパク質の酸化に着目して検討を行った。最終トレーニング48時間の経過の後、2.5分間と疲労困憊に至る一過性の高強度運動を行った。トレーニングによる疲労困憊に至る走運動の時間は1.4倍延長したが、2.5分間と疲労困憊に至る運動については筋小胞体のCa^<2+>取り込み・放出速度、筋小胞体Ca^<2+>-ATPaseタンパク質の酸化の程度には差はみられなかった。これらのことから、高強度トレーニングは疲労困憊に至る走行時間を延長させること、そして運動の時間経過に伴って進行するタンパク質の酸化速度を抑制できることが明らかとなった。
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