2004 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の筋反応時間の遅延および筋出力特性とトレーナービリティ
Project/Area Number |
16500434
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
田口 正公 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (80078542)
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Keywords | 高齢者 / 筋反応時間 / EMD / 短縮性筋力 / 伸張性筋力 / 脚伸展パワー / トレーナービリテイ |
Research Abstract |
筋反応時間は特定の刺戟から動作開始までの潜時であり、動作開始時における運動の機構を分析する有効な手段である。中でもElectoromechanical Delay (EMD)は筋が内部出力してから外部出力するまでのtime lagであり身体活動の動作の発現を左右する生体情報である。このEMDの加齢による遅延は高齢者の運動機能の低下に直結し、転倒などの障害の発生に深く関与するものと予測される。そこで、高齢者を対象に脚伸展時のEMD、各種筋反応時間と短縮性(CON)、伸張性筋力(ECC)および脚伸展パワーを測定し、高齢者の加齢に伴う筋機能動態の変化を知るとともに、そのトレーナービリティを明らかにすることを目的にした。本年度は健常女性高齢者(65〜84歳)36名、女性若年者(18〜30歳)47名を対象として、CON、ECCの筋反応時間、EMDと脚伸展パワーを測定し、次の様な知見を得た。 1、固有受容器刺戟から筋反応までのpre-motor time (PMT)およびEMDは、CON, ECCとも若年者、前期高齢者(65〜74歳)、後期高齢者(75〜84歳)で加齢に伴い長くなる傾向であった。 2、前期高齢者と後期高齢者の比較で、EMDはCONよりもECCでその差が大きかった。したがって腱の弾性要素の低下が顕著であることが推測された。 3、CON, ECC筋出力および脚伸展パワーは、加齢に伴い有意に低下していた。 4、筋機能のトレーナービリテイのためのハーフスクワットトレーニングは第1ステージから第2ステージに移行し、継続中である。
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