2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500437
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鍋倉 賢治 国立大学法人筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (60237584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
衣笠 隆 国立大学法人筑波大学, 大学院・人間総合化学科, 教授 (40110481)
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Keywords | 正弦波負荷 / 心拍数 / パワースペクトル分析 / 迷走神経活動 / 血圧 / 応答特性 |
Research Abstract |
本研究では、最大下の正弦波運動負荷テストによる体力・健康の評価法を開発することを目的とした。すなわち、運動負荷を正弦波状に変化させ、それに対する生体反応の応答特性(反応の大きさ、反応の速さなど)から健康や体力を評価できないかと考えた。これまでの研究によって、正弦波負荷運動に対して生体反応(心拍数)は負荷変化よりもやや遅れて変化し、その変化の特徴は被検者の運動習慣や体力などによって異なることを明らかにした。平成16年度には、これまでの研究で明らかになった以下の課題について検討した。 1)正弦波運動負荷に対する心拍数の応答特性の機序 2)負荷の上昇から下降への局面と下降から上昇への局面で応答特性が異なる機序 1)の課題について、今年度の補助金でbeat-by-beatに血圧を測定できる血圧計を購入し、現在、心拍数の変化とあわせて分析できるよう解析処理プログラムを作成中である。また、2)の課題について、正弦波負荷中に連続記録した心電図RR間隔時系列データを最大エントロピー法と時間領域における解析を行うため汎用時系列データ解析システム(諏訪トラスト、MemCalc/Trawaシステム)を使用し、心拍変動パワースペクトル分布を求めた。その結果、負荷が下降から上昇へ点ずる局面では、高周波成分が有意に高く、迷走神経活動の変化がより大きかったことが示唆された。迷走神経活動による心拍数の変化は交感神経活動によるものよりも反応が速いことが知られている。そのため、負荷の高い局面と、低い局面での応答特性の違いは自律神経活動の差異によるものと考えられた。
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