2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500438
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
花澤 寿 千葉大学, 教育学部, 助教授 (50238044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 純 千葉大学, 教育学部, 助教授 (30252886)
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Keywords | 動物介在療法 / 摂食障害 / 過食症 / EDI / 大学生 / コルチゾール / レプチン / セロトニン |
Research Abstract |
動物介在療法は現在のペットブームや癒しブームにのり、市民権を獲得しようとしつつ有る。健康促進や看護、介護の分野において特に注目されており、様々な可能性について検討されている。一方、若者においては摂食障害(過食症および神経性無食欲症)の増加が問題となっている。特に高校生、大学生に増加傾向にある過食症は著明な体重減少を伴わないため周囲から気づかれにくく、治療の対象となりにくいため潜在化しやすい。この問題はやせていることに過大な価値観をおく現代日本の持つ時代病ともいえるものであり、大学に在学中の学生にもその予備軍となるものが存在することが考えられる。このため大学における摂食行動の以上の現状を把握するためにEDIによる調査を行った。この結果、4年制大学に在学する女子大生はそのスコアーより通常群、高得点群および中間群に統計上分けられることが解った。特に高得点群は摂食障害予備軍としての可能性が考えられ、大学における学生の健康管理において新たな課題を投げかける結果となった(日本学校保健学会2005、千葉大学教育学部紀要2005)。また、動物とのふれあい前後における心理的(EDI等)、生理的(コルチゾール、セロトニン、DHEA,レプチン等)変化の解析では、短期的ふれあいでは心理面では大きな変動は認められないが,コルチゾールの減少など生理活性物質面でストレス緩和作用を示唆する結果が得られた。興味深いことにBMI高値を示す被験者ではレプチンの増加を認めた。レプチンは満腹物質といわれ食欲抑制作用を示すことから,動物とのふれあいが肥満改善に有効である可能性も考えられた。しかし,学校における動物の使用にあたっては様々な制限が存在するため,現状では導入が困難であるとの感触を得ている。そこで学校での実践のためには今後アニマロイド等代替手段の検討が必用であると考えられる。
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Research Products
(3 results)