2004 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギーのモニタリングとその予防のための包括的健康教育システムの構築
Project/Area Number |
16500443
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
吉本 佐雅子 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (00098550)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝野 眞吾 兵庫教育大学, 理事・副学長 (70098523)
|
Keywords | アレルギー / 生徒 / 血清IgE / 疫学調査 / モニタリング / 一次予防 / 健康教育 |
Research Abstract |
1.目的 本研究ではアレルギーの一次予防を目的に包括的健康管理・健康教育のシステムを構築する。このため本年度(当該課題研究の初年度)は,20年間にわたり生徒の健康状態を継続調査してきた兵庫県淡路島の五色町をモデルとして,アレルギーの定点的モニタリングをさらに充実化し,アレルギー性疾患の自然史を明らかにするための基礎的知見を得ることを目的とした。 2.方法 対象地域での生徒の健康実態調査を従来と同様の方法にて実施し,調査実施継続期間を延長した。アレルギーに関しては中学2年生105名を対象にアレルギー性疾患の既往歴の問診票による調査,および血清中抗体(総IgE,抗原特異的IgE 7種)の測定を行った。 3.結果および考察 定点モニタリングとして,問診によるアレルギー性疾患の既往歴(アトピー性皮膚炎および鼻炎,結膜炎,喘息)の出現率について1991-2004年の年次推移から検討した。この14年間でアレルギーの既往歴率(4つの疾患のうち一つ以上の疾患に罹ったことのある生徒の割合)は約25%から50%に増加した。これらの増加には環境アレルゲンの増加,あるいは生活環境の変化が関わっていることが考えられた。性差についてみると,男子では鼻炎結膜炎喘息の既往歴者率およびその14年間の増加が女子より大きかった。血清中総IgEのレベルは既往する疾患の数(0から4つの群)に伴い,高くなる傾向があった。また,既往のない群を含むこれら既往疾患数別のいずれの群においても男子の血清IgEは女子よりも高かった。スギ,ブタクサ,カモガヤ,ハルガヤ,ネコ上皮,コナヒョウダニ,ハウスダストの特異的抗体の陽性率はいずれも男子が女子より高かった。男子では女子よりも血清IgEが高く,アレルギーに罹りやすい体質になっており,さらに複数のアレルギー性疾患を罹患することが多くなるものと考えられた。
|
Research Products
(1 results)