2005 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病をもつ高齢者の健康寿命延長をめざした新しい運動処方作成の基礎的研究
Project/Area Number |
16500451
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
藤本 繁夫 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90128752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 貴仁 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10381998)
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Keywords | 生活習慣病 / 運動負荷 / 歩行能力 / バランス機能 / 下肢筋力 / 柔軟性 / 一日歩行数 / 健康寿命 |
Research Abstract |
本邦では、女性の平均寿命は84.9才、男性は78.1才(2001年)と長寿がすすんでいる。しかし、日常生活を正常に過すことができる健康寿命は男女平均74.5才(2001年)であり、約6-8年間は介護や看護が必要な状態におかれている。平成16年度は、生活習慣病をもつ高齢者の健康寿命延長を目標にして、昨年度に施行した下肢筋肉機能の評価をおこない、下肢筋肉の機能が重要であること、さらに下肢筋内代謝からみた新しい指標の作成を行った。本年度は視点を変えて、高齢者が健康で日常生活が維持できる体力の基準値を作成するために65歳以上の高齢者41名を対象に文部科学省が推奨する高齢者用の体力測定と運動能力、10m障害物歩行,下肢筋肉量、下肢筋力などの検査を行い、介護の必要がなく、在宅で自立した生活が行なわれる体力の基準値の設定を行った。 その結果、自宅で自立生活を過している65歳以上の高齢者の体力は、加齢に伴って、歩行能力、下肢の筋力(伸展)とバランス機能が低下するが、握力、柔軟性は変わらないこと、高齢者の歩行能力には、下肢の筋力(伸展)、下肢の筋力の左右差、下肢の筋肉量、バランス機能と一日歩行数が関係することを示した。さらに、生活の支援を受けている75歳以上の後期高齢者の体力は、同年代の自立生活者に比べて、下肢の筋力(屈曲)、下肢の筋肉量、バランス機能、一日歩行数が低下しているため、歩行能力が低下することを示した。以上の結果の判別分析を行い、在宅で自立生活を行うために最低限必要な体力は、歩行能力(6分歩行距離)322m、バランス機能(開眼片足立ち)24.8秒、柔軟性(長座体前屈):7.6cm、下肢の筋力(大腿伸展筋力):279N、大腿部の筋肉量:4.5Kg、一日歩行数:3846歩/日という日本人の基準値を提唱した。 この結果をもとに、次年度は下肢の筋機能に標準をあてた、高齢者用の運動処方を作成し、その結果を実証する予定である。
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Research Products
(2 results)