2007 Fiscal Year Annual Research Report
咀嚼運動の記憶・学習機能に及ぼす作用に関する研究-痴呆発症要因の可能性として-
Project/Area Number |
16500468
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 知絵 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 計測フロンティア研究部門, 産総研特別研究員 (00356255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 詳子 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (50332383)
井口 義信 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (10342916)
根本 正史 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (80370980)
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Keywords | 脳・神経 / 計測工学 / 老化 |
Research Abstract |
最終年度となる本年度は、これまでのデータのまとめ、及び結果解釈に必要である、光シグナルの基礎的性質の確認を中心に研究を行った。 1.時間分解分光法(TRS)を用いた反射率計測により得られる時間応答曲線に対し、反射光量の積分強度解析[1]および光拡散方程式に基づいた波形解析[2]の各方法を適用した場合の吸収係数変化(Hb濃度変化)の違いを、頚動脈内膜剥離(CEA)術中の頭部計測データおよび短時間の呼吸制御(過呼吸や息止め)時の前額部計測データを利用して調べることにより、シグナルに大きく寄与する血流変化の深さ位置について再検討した。 これは本課題開始時から少しずつ進めてきた事柄であり、これまでに、異なる二方法により求めたHb濃度変化には違いが認められ、解析[1]は頭部表層の血流変化に、解析[2]は深部の血流変化に対して感度が高い傾向にあることが示唆されていた。本年度は、さらに、TRS計測も行い、それらのデータを総合的に解析することによって、上記結果の妥当性を確認した。 2.時間応答曲線に対し、時間軸方向で分割して解析する方法(time se胆ent analysis)を用いる場合の、下層の吸収係数(μ_a)推定への信頼性について検討した。本研究では、解析に用いるリファレンスの換算散乱係数(μ_s)の選択にcurve fittingの手法を取り入れ、四層媒質を対象に、深部層のμ_a推定の信頼性について検討した。時間分解反射率のtime segment analysisにより、第1、2層の厚みに関係なく四層構造媒質最深部層の吸収係数を推定できることを確認した。より複雑な構造をもつ実際の頭部計測データに適用時のエラーの大きさや、計測ノイズに対する耐性等についての課題が未だ残っているが、頭皮上からの脳血流計測における本解析法の有効性を明らかにできた。
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Research Products
(3 results)