2004 Fiscal Year Annual Research Report
子どもが生活文化の意味体系を構築する過程に関する実証的研究
Project/Area Number |
16500471
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
大瀧 ミドリ 上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (40056388)
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Keywords | 1歳児 / 保育園 / 生活文化 / 意味体系 / ままごと遊び / 縦断的研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ままごと遊び場面で子どもが表出するふり行為を手がかりに、子どもが自分の外に存在する生活文化に関する意味知識を自分の中に意味体系として構築する過程を明らかにすることである。 研究対象者は、公立保育園4園の未満児クラスに在籍する乳幼児56名とその担当保育者20名である。平成16年6月から平成17年3月まで、各園毎月1回、計40回、午前10時から11時までの約1時間に渡る自由遊び時間に保育室に観察用のままごと道具(2・3組)をセットし、そこで展開される遊びをビデオに録画する。初回の録画時にターゲット児を各園4名、計16名を指定し、彼らと彼らの遊びに関わる未満児及び保育者を録画対象とする。映像からトランスクリプトを作成し、ふり行為の表出について分析を行い、次の結果を得る。 1.ままごと道具の操作には、物の物理的特性を活かした文脈的使用とふり行為が表出される脱文脈的使用が混在する段階から、脱文脈的使用が比較的安定化する段階への移行が顕著に認められることが明らかになる。 2.ふり行為の表出は、観察の前半では瞬間的、単一的、自己模倣的特長を有していることが明らかになる。 3.保育者が関わることで、ターゲット児のふり行為の表出において行為の連鎖・系列・脈絡化が顕著に認められることから、1歳児の意味体系の構築に保育者の関わりが重要な役割を担っていることが明らかになる。
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