2006 Fiscal Year Annual Research Report
地域福祉システムの構築における住民参加の意義と方法
Project/Area Number |
16500472
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
高田 洋子 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (80171445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 滋 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (50137478)
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Keywords | 地域福祉 / 地域福祉計画 / 住民活動 / 住民参加 / 自治体行政 |
Research Abstract |
今年度は,研究費補助期間の最終年度であり,3カ年の研究成果を総合的に見直し,今後への課題を見いだす作業を行った。地域福祉計画を策定し事業を展開している先進的な自治体として選定した,愛知県高浜市及び長野県茅野市における調査を引き続き実施した。高浜市では小学校区単位でのまちづくり協議会の組織化がはじまり,その中で住民相互の支援のしくみづくりが模索されている。また茅野市でも,各集落に加え小学校区や中学校区規模の生活圏を設定し,子どもの居場所づくりも含む地域福祉の場の形成を,中核的な福祉保健センターやコミュニティセンターの整備とともに進めつつある。計画策定時の住民参加は共通に市内全域から多くの市民を募りワークショップ型の課題検討と方向収敷を図るものであったが,両市とも福祉施策実施過程では市内小地域に歴史的に蓄積されてきた社会関係資本に期待をかけた住民参加の形が加わり,市内外に展開する多様な市民活動と市内各小地域に蓄積する住民諸集団の日常的な諸関係の網の目をいかに相乗的に組み合わせていくかは,地域福祉システムを今後整備していく際の大切な課題になるようにみられる。ボランティアセンターやNPOセンターなどの中間組織は,この課題への取り組みを行政とともに担う有効な媒体に位置づけられる。高齢期在宅ケアを支える地域福祉システムの整備には,諸高齢者福祉施設群とケアを担う専門家集団の効果的な組織化が期待されるが,住民相互の日常的な支援のしくみもまた要請されている。このしくみは経験の蓄積と普段の反省的学習の持続を基礎にする。福祉,医療保健,市民学習,教育の複合的な領域での市民活動群は,今後のわが国における自治体形成,地域社会形成上の重要な位置を占めるものと考えられる。
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Research Products
(1 results)