2005 Fiscal Year Annual Research Report
家庭科の授業を通して子どもの心の健康を取り戻す試み
Project/Area Number |
16500477
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
小西 史子 佐賀大学, 文化教育学部, 助教授 (50170288)
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Keywords | 総合的自己評価 / コミュニケーション / 家族満足度 / 家庭科 |
Research Abstract |
(1)小学校での取り組み 家族を意識した題材を設定し、家族のために朝食を作ったり、鍋物を作ったりするなどの家庭実践をさせた。またロールプレイイングなどを通して、家族の気持ちを理解させるような授業を仕組み、家族への思いを高めさせて家庭実践の回数が増えるように工夫した。その結果、家庭実践を通じて家族とのコミュニケーションが深まり、家族揃って夕食をとる回数が増えた。このような家庭科の授業実践の前後で、父親とのコミュニケーション度、母親とのコミュニケーション度が有意に高まり、自尊心も有意に高まった。家庭科の授業を通して子どもの家族関係が良くなり、子どもの自尊心の向上につながったと考えられる。 この成果は学会誌に掲載された。 (2)中学校での取り組み 中学では自尊感情の尺度を「自分は大切な存在である」と「自分にはいいところがある」の2つとして、当てはまるかどうか4件法で質問し、当てはまるほど自尊心が高くなるように配点して変数とみなした。その結果、女子は男子より「自分にはいいところがある」と思う割合が有意に低いことがわかった。「自分にはいいところがある」は父親とのコミュニケーション度、母親とのコミュニケーション度、家族満足度、朝食、夕食時の会話頻度と有意な相関を示した。そこで家庭で食事中に親子の会話頻度が高まるように、調理実習に重きをおく授業実践を行い、長期休暇に食事の用意などの家庭実践をさせた。指導の結果、「自分にはいいところがある」の評点が有意に高まり、特に女子において有意に高まった。 この成果は現在、論文にして投稿中である。
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