2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500480
|
Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
岡田 安代 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (90118729)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 妙子 大妻女子大学, 家政学部, 助手
檜原 利夫 ダイスタージャパン株式会社, テクニカルセンター, シニアマネージャー
|
Keywords | アゾ染料 / 反応染料 / 半経験的分子軌道法 / 生成熱 / セルロース上の互変異性 / アゾ-ヒドラゾンの互変異性 / 酸解離のアゾ-ヒドラゾン互変異性 |
Research Abstract |
染料の酸化分解が酸化/還元反応で生ずる場合、酸化剤(漂白剤)や染料は弱酸として振舞うが、染料も漂白剤も解離するので、反応の可能性としては、4種類の組合せが存在する。更に、実際に使用されている多くの反応染料にはアゾ-ヒドラゾン互変異性平衡(AHT)が存在するので、これが酸解離平衡(ABE)に重なる。その上、セルロース上にある染料のAHTを常法のNMRでは決定することすらできない。このような状況から出発して、染料の退色を調べる出発点として、AHTが単純なピラゾリン系アゾ染料とアゾベンゼン系染料の気相中と水中のAHTを半経験的分子軌道法(MO)PM5法によって、その生成熱から推定した。セルロース上のAHTは水と気相の中間にあるとみなして、セルロース上における反応性をMO法で検討することを計画している。 ここでは10種類の黄色染料について、PM5法で気相と水中(COSMO法)で種々の互変異性体の構造最適化と標準生成エンタルピーを求め、group additivityに従ってAHT解析を行った。o-(置換)アミノ基を持つアリルアゾベンゼン類は大部分が両相でアゾ型になる。ケト-エノール互変異性が生ずるフェニルアゾピラゾリン染料は3種類のAHT(アゾ/エノール、アゾ/ケト(A/K)、及びヒドラゾン/ケト)が生ずる。o-アミノ基を持つ染料は両相でアゾ型、o-ヒドロキシ基を持つものは気相でヒドラゾン(HT)型、水中でエノール型よりもケト型の水和エネルギーが大きいためA/K型になった。C.I.Acid Yellow 23のAHTとABEが重なる現象をこのMO法で解析した。水中でこの染料はA/K型で存在するので、これがABEを生ずる。脱プロトン化したA/K型が別のAHTを起こすことになる。このAHTとABEが同時に生ずる現象は以前に報告されている説明を少し修正して、より合理的に説明できた。
|
Research Products
(3 results)