2005 Fiscal Year Annual Research Report
素材布物性・開口部・ゆとり量が身体活動時における部位別衣服換気量に及ぼす影響
Project/Area Number |
16500498
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Research Institution | Osaka Shin-Ai College |
Principal Investigator |
上田 博之 大阪信愛女学院短期大学, 教授 (00203448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 芳光 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (70144566)
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Keywords | 衣服換気 / 衣服内湿度 / 発汗量 / 衣服換気必要量 / 部位差 |
Research Abstract |
(1)軽運動における発汗開始直後の部位別衣服内湿度に関する研究 同型で素材の異なる5つのワークシャツをマネキンに着用させて、胸部、背部、上腕部の衣服換気量を測定した。次に、これらのシャツを着用して軽度の運動を30分間行った場合の快適感の変化を調べ、皮膚温、発汗量、衣服内温湿度の変化を同じ3部位で測定した。衣服換気量は、いずれのシャツ着用時にも胸部で大きく、上腕部で小さかった。また、素材による換気量の差は、胸部で最も大きかった。快適感は、時間経過とともに悪化し、着衣条件間の差が発汗開始後に見られた。発汗開始後10分間の直腸温、各部位の皮膚温、衣服内温湿度、発汗量に差は見られなかったが、各部位における発汗量に対する衣服内の絶対湿度の割合に差が見られた。また、この割合と衣服換気量に相関関係が認められた。これらのことから、着用時の水分移動における素材の影響は身体部位により異なり、快適性保持のためには身体各部位の発汗量に相応する衣服換気量を検討することが必要である。 (2)運動時の総発汗量と部位発汗量の関係 若年男性9名に対し、気温28℃・相対湿度40%の環境条件下で最大酸素摂取量の35%、50%、65%に相当する強度の自転車運動を各30分間負荷した。実験中の胸・背・上腕・大腿の局所発汗量を連続的に測定した。各強度の運動実験開始直前および終了時に体重(1g精度の体重計)を測定し、各運動時の体重減少量から総発汗量(g/m^2/h)を推定した。そして、総発汗量と発汗が定常に達した運動終了前5分間の平均発汗量の回帰分析を部位毎に行った。計測が容易な体重変化から推定した総発汗量から回帰式を用いて得られる部位発汗量及び皮膚表面と環境の水蒸気量を用いて、各部位の運動時の発汗を蒸散させるための衣服換気必要量を求めることができる。
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