2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500504
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
鈴木 恵美子 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (80154524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉田 忠男 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 教授 (60011920)
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Keywords | 酸化ストレス / ビタミンC |
Research Abstract |
本年度は、健康な実験幼少動物に対して強い酸化ストレスを負荷し、抗酸化ビタミンであるビタミンC(AsA)の代謝・動態を中心に調べ、その体内有効性について評価した。 純粋な酸素を満たしたケージ中に実験用小動物ラットを120分間いれ、経時的に静脈より採血して、血漿中のAsA濃度を測定し、酸素処理を行わなかったラット(対照群)の場合と比較した。さらに酸素処理の翌日にラットを屠殺し、臓器中のAsA量、8-OHdG量、過酸化脂質量を測定した。酸素被爆直後に酸化型AsAの血漿中濃度は上昇し、その後はほぼ一定の傾向が見られた。一方、還元型AsAは顕著な変動は見られなかった。酸素処理群の肺の還元型AsA量は対照群よりも低い傾向にあったが、酸化型は高い傾向にあった。肝臓においても肺と同様な傾向が見られた。肺の8-OHdG量では酸素処理群と対照群との間に有意な差はなかった。肺および肝臓の過酸化脂質量を比べると、いずれの臓器も酸素処理群の方が高い傾向が認められた。 さらに、体内でAsAを合成できないODSラットに対し1日3時間の酸素処理を10日間行った。ODSラットには1日あたり5mgのAsAを投与した。その結果、血漿中の還元型AsA濃度および肺の還元型AsA量は酸素処理を行ったラットの方が低い傾向が見られた。肺の過酸化脂質量は酸素処理ラットが高い傾向にあり、血漿過酸化脂質量も同様な傾向が見られた。 以上の結果、酸素処理によりラットは酸化を受けたものと考えられる。酸素処理初期に血漿中酸化型AsA濃度の上昇傾向が見られたのは、AsAが酸化に対し体内を防御するように働いたためと推測される。AsAは体内の有効な抗酸化物質として作用すると言える。
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